
白子嫌いも好きになる魔法の料理
明けましておめでとうございます。
新年を迎え寒さも一段と厳しくなってきましたが、こう寒くなってくると美味しくなるのが「寒鱈(真鱈)」でしょうか。
白身の魚でクセがなく、たらちりなど鍋の材料としても登場回数の多くなる季節がやってきましたね。真鱈の身も美味しいのですが、今回は白子を使ったメニューをご紹介致します。
寒鱈と同様に寒さが増すごとに甘味が増えて美味しくなる「ちぢみほうれん草」を組み合わせて、ソテーを作りました。
シャキシャキに炒めたほうれん草と、表面はカリッとこんがり香ばしく、中はとろ〜りとろとろの白子の食感がたまりません!!
これは飲む人も飲まない人も、大人も子供も日本人の大好きなバター醤油味にやられちゃうのかな♪
だってやっぱり美味しいんだも〜ん!!!
材料(3〜4人分)
・真タラ白子 250〜300g
・塩・コショウ 少々
・米粉 適量
・醤油 小さじ2〜3
・日本酒 小さじ2
・バター 小さじ2
(有塩の場合は醤油で塩分調整してね)
・サラダ油 大さじ1
・ちぢみほうれん草 1/2束
<白子の取り出し方>

準 備
* ほうれん草は砂や泥が残らないように十分に洗ったら、ボウルに水を貯め20分程浸けておきアクを抜いてから水気を切り、根元の硬いところを少し
落としてから5cm位に切って茎と葉に分けておく。
* 白子は大さじ1程度の塩(分量外)を振り、壊れないように優しく揉んで
滑りを取り、流水で洗ったら熱湯に一瞬潜らせすぐ冷水に取って冷まし、
十分に水気を切る。更に食べやすい大きさに切りペーパータオルで優しく
水気を拭いておく。
* 盛り付け用のお皿を熱々に温めておく。
作り方
1.白子に軽く塩・コショウをする。2.テフロン加工のフライパンに小さじ1のサラダ油を引き、ほうれん草の茎の
方から先に炒め、色が鮮やかになったら葉の部分を加えて全体を混ぜ、
軽く塩・コショウをして味を整え、軽くしんなりしたら温めておいた器に
盛り付けておく。
3.塩・コショウしておいた白子に米粉を塗し、余分な粉は落としてから
テフロン加工のフライパンにサラダ油小さじ2とバター小さじ2を加え
中火にかけ、バターが溶けてきたらこんがりと焼いていく。
白子はとても軟らかいので頻繁に返さずにじっくり片面ずつ焼き色が
付くまで焼くこと。
4.両面に焼き色が付いたら、醤油と日本酒を合わせておいたものを回しかけ
醤油の香りが立ったら出来上がり。
段取りが決め手のお料理ですので、全て手元に準備をしておき調味料
なども混ぜ合わせておきましょう。盛りつけの器も熱々にしておくと、
よりおいしく頂けます。
* 真鱈の白子は鮮度が命。透明感のある白でプリッと張りがあり、ひだの
輪郭がはっきりしているものいがお薦めです。
【寒鱈】
魚に雪と書いて「鱈」と読みますが、それだけ雪の降る季節にふさわしい魚だということでしょう。
太平洋側では茨城県以北に分布していて、150〜300mの深い場所に生息しています。
タラ類の身には脂肪分が極めて少ないそうなので、私のような中高年にはもってこいのお魚と言っていいでしょう。
普段は何気なく「鱈、タラ」と呼んでいますが、実は「真鱈」の場合がほとんどです。
年中食べられている「たらこ」はスケトウダラの子で、真鱈の子ではありませんのでお間違えのないように・・・。
今回ご紹介の白子は真鱈の精巣ですが、その分メスよりも格段に高い価格で取引されているようです。
みやぎでは「たらきく」とも呼ばれ、酢の物や鍋、お吸い物など普段よりちょっと贅沢感のある冬のご馳走です。
白子単独で買ってもなかなかいい値段ですが、実は白子だけを買うよりも一尾丸まる買うほうが、断然お得だと市場の方はおっしゃっていましたよ。
そして以前ご紹介しましたが、みやぎの沿岸部のお正月に欠かせない「子持ちきんぴら」(2008年12月25日掲載)は、真鱈の生たらこで作るということでこの季節になると、どど〜んと大きめの真鱈の生たらこが店頭に並び始めます。
【あとがき】
本来地産地消は地元みやぎの食材をご紹介しているわけですが、残念ながら昨年の東日本大震災以来、みやぎの海域では真鱈の出荷制限が続いており、「ぜひみやぎの真鱈を召し上がってください」とはいえない状況となっています。
みやぎに住むのもとしてはとても心苦しいのですが、いつか地元の真鱈が手に入る日まで、このレシピで練習して頂けたら嬉しく思います。
苦手だった主人でさえ「旨い!!!これならいくらでも食べられそう!」と大絶賛したレシピですので、ぜひチャレンジしてみてね。