
2012年 クリスマスのご馳走たち(食材王国みやぎ12月の地産地消メニュー)
今年もあっという間に12月。
街中がクリスマスムード一色になる季節ですね。
仙台では12月7日から「光のページェント」が始まり、いよいよ年末の華やかな風景に包まれます。
息子が小さい頃にはサンタのパレードを見に行ったり、外でご飯を食べたりしていたけれど、今ではすっかり出不精になってしまいました。
彼も高校生になり、家族とのクリスマスがワクワクドキドキするお年頃でもなくなったのも理由のひとつかもしれませんね。
家族とクリスマスを過ごしてくれなくなる年齢に差し掛かっていることを感じずにはいられませんが、だからこそ今年はお肉を大奮発して美味しいもので釣ってしまおうという母の魂胆です(笑)
美味しいお肉ならそんなに手間をかけなくても、みんなが絶対喜んでくれますよ。
簡単だからぜひ作ってみてね。
◇ローストビーフ

お肉の部位によって濃厚な味わいやあっさりした味わいなど、それぞれ異なりますのでお好みで選んでください。
スーパーなどでは店頭に塊のお肉が並んでいない場合もあるので、売り場の方に使いたい日にちを伝えて、準備してもらうといいですよ。
材料(作りやすい分量)
・仙台牛塊(リブロース・らんぷ・しんたまなど) 700〜800g・旨塩 適量
・黒コショウ 適量
・ローリエの葉 7〜8枚
・サラダ油 大さじ1〜2
◇ニンニクバターソース
・醤油 大さじ2
・日本酒 大さじ2
・みりん 大さじ2
・ニンニク(すりおろし) 1片分
・バター(食塩なし) 大さじ1
* 日本酒とみりんを耐熱容器に入れ、レンジで加熱し軽く沸騰させて
アルコールを飛ばしたところに、醤油、にんにくのすりおろし、バターを
加えて混ぜ合わせておく。
◇バルサミコソース
・醤油 大さじ2
・日本酒 大さじ2
・みりん 大さじ2
・バルサミコ酢 大さじ2
* 日本酒とみりんを耐熱容器に入れ、レンジで加熱し軽く沸騰させて
アルコールを飛ばしたところに、醤油、バルサミコ酢を加えて
混ぜ合わせておく。
準備
* 牛塊肉は冷蔵庫から出して常温(暖房した部屋でOK)に1時間ほど置いて中心部まで室温になるようにしてから、全体にやや多めの塩を振って
なじませ、更に黒コショウを振ってタコ糸で形を整えるように縛っておく。
* ローリエの葉を数箇所に挟んでおく。(香り付けです。)
作り方
* お肉の軟らかさを味わうためにレアな仕上げになっていますので、しっかりした焼き加減がお好きな方は、焼き目を付けてからオーブンに
入れて焼いてもOKです。
それぞれお好みで仕上げください。
1.フライパンを火にかけサラダ油を入れて全体に広げ、中火で焼いていく。
2.軽く焼き色が付いたら順番に焼く面を変えて、端の焼きにくいところは
トングなどで支えながら焼いて行き、一通り焼き色が付いたら、
次に蓋をして(できればドーム形の蓋)の中火より火を弱め、各面を
じっくり焼いていく。
3.全体に濃い目の焼き色が付いたら火を止め、アルミホイルで2重に全体を
包んで10〜15分ほど休ませておく。
4.牛肉を休ませている間にソースを準備する。
バルサミコソースは冷たいままでOKですが、バターソースはフォンデュ用の
お鍋で湯煎するなど、常に温めながら提供しないとバターが固まってしまう
ので注意。(直火で沸騰させると風味が飛ぶのでNGです。)
5.お肉を休ませたら、あえてローリエを付けたまま食卓へ。おもむろに
タコ糸を切ってローリエを外すパフォーマンスでより盛り上がりますよ。
よく切れる包丁で薄く切って器に盛り付ければ出来上がり。
ボリュームがあるバターソース、サッパリ好みはバルサミコソースで
召し上がれ。
* 残ってしまったら、密閉容器に入れて冷蔵庫で保管し次の日には必ず
食べきりましょう。翌日のお昼にサンドイッチにしても美味しいですよ。
* 写真ではピクルスを添えていますが、こちらは次回ご紹介いたしますので、
もうしばらくお待ちくださいね。
『仙台牛とは・・・』
・ 黒毛和種であること。
・ 仙台牛生産登録農家が、仙台牛生産肥育体系に基づき個体にあった適正管理を
行い、宮城県内で肥育された肉牛。
・ (社)法人日本食肉格付協会枝肉取引規格がA-5またはB-5に評価されたもの。
これら全てに該当した牛だけが「仙台牛」の称号が与えられるそうです。
ここまで基準の厳しい牛肉はめったにないそうで、名立たるブランド牛の中でも超高級牛肉であると言えます。
『牛肉の評価』
A〜Cで表されるのが歩留等級で、骨の付いた肉から骨や余分な脂などを取り除き、肉にした時の肉の割合で、歩留まりが良いほど肉の割合が多く、生産効率が良いとされています。
1〜5で表されるのが肉質等級で、霜降りの度合い、肉のキメや締まり、脂肪の色沢・光沢について総合的に評価されるそうです。
仙台牛と同じ飼育方法で育てられ、惜しくも仙台牛になれなかったC―5からBー3と評価されたものは、「仙台黒毛和牛」と称されますが、それでも十分美味しいお肉ですので、手始めにこちらを選んで見るのもいいかもしれませんね。
『スーパー種雄牛の登場』
これまで仙台牛の称号が与えられるのは、出荷される牛の3割程度だったそうですが、近年仙台牛の称号を得る牛が増えていると聞きます。
それは「茂洋号」の登場によるもので、それまでの3割程度から6割を超える仙台牛を生み出しているといいますから、これは画期的な割合でしょう。
「茂洋号」は全国的にも非常に人気が高く、当然のことながら各地の有名ブランドの交配にも欠かせない存在となっていて、一時は供給不能になってしまうほどだったといいますから本当にスーパー種雄牛と言っても過言ではないでしょう。
【あとがき】
その昔、我が家では稲作と並行して、小規模ながら黒毛和牛の繁殖も手がけていました。
当時は「仙台牛」のブランド名があることすら知らない子供でしたから、牛は出荷するもので食するもではないと思い込んでいましたっけ。(まんまと親の策略にはまっていたのかも・・・ね?)
ある日大人になって、ステーキ屋さんに連れて行ってもらったときのことです。
生まれて初めて口にした「仙台牛」は正直言葉になりませんでした。
サシの入ったお肉のとろけるような軟らかさ、鼻から抜けて行く風味、噛み締めた時の味わいはン十年経った今でも決して忘れることができません。それほど魅了される美味しさだったのです。
2011年3月の東日本大震災以来、風評被害の影響で「仙台牛」の価格が下落していると聞いています。
生産農家の方々にとっては非常に苦しいところですが、逆に言うと私達消費者は普段より相当お手頃価格で手に入るといことですので、是非この機会に一度お試しいただいて「仙台牛」の美味しさをたくさんの方に知ってほしいと思っています。
震災の影響は沿岸部だけにとどまりません。
内陸部でも様々な苦悩を抱えながら立ち向かっている生産者の方々がたくさんいらっしゃいます。
沿岸部の食材共々ぜひ、みんなで食べて応援していきましょう。