
行楽弁当の料理を試食セットにスタイリング(食材王国みやぎ11月の地産地消No.2)
前回ご紹介したびっくりコロッケを主菜として牡蠣づくしセットメニューができました。
広島&みやぎのコラボ料理に季節感と彩りを添えて…
それぞれに柚子味噌、しょうゆ麹、当座煮と個性的な味つけで、牡蠣料理に飽きないよう工夫。
主食、主菜、副菜とセット料理の基本です。
秋の行楽弁当の一品になるように工夫をこらし、お弁当らしく常備菜にして有効活用。
前日に仕込めば、当日加熱して仕上がりますよ。
このセットメニューは、西の広島、東の宮城のコラボ料理
今年は両県が連携して牡蠣の広報活動に取り組みます
それぞれの牡蠣の特徴を生かして2品ずつ加熱用と生食用ならではの料理がお行儀よく鎮座してセットメニューとなりました。
コロッケはお弁当でも美味ですが、やはり出来立て熱々が一番です。
みやぎの復興の証しともいえる『養殖牡蠣』を様々に調理し、食べて応援して頂きたいと思います。
◇セットメニューのご紹介
〇 牡蠣の柚子味噌和え入りおむすび(主食)
〇 牡蠣の当座煮入りびっくりコロッケ(主菜)
〇 青菜と牡蠣のしょうゆ麹和え(副菜)
〇 牡蠣入り出汁巻き玉子(副菜)
◇牡蠣の柚子味噌和え入りおむすび

一口食べて牡蠣がなくならないようにおむすびの中にも牡蠣の柚子味噌を入れました。
海苔の巻き方は、食べる時ご飯粒が手に着かないように天むすタイプにしてあります。
塩分の摂りすぎを吟味してお塩は使わず、海苔の風味も美味さを増す仕上がりになりましたよ。
牡蠣の柚子味噌の作り方は2009年10月掲載の白いご飯にはこれ!牡蠣の柚子味噌をご参照ください。
◇牡蠣の当座煮入りびっくりコロッケ

当座煮は、東北人らしいお醤油味ですが、従来の保存食を代表する佃煮より軽めの味付けになっていて牡蠣の風味を十分お楽しみ頂けます。

作り方は、2012年11月1日掲載の牡蠣の当座煮とびっくりコロッケをご残照下さい。
◇青菜と牡蠣のしょうゆ麹和え〜しょうゆ麹活用術〜

塩、しょうゆ、味噌、そして発酵調味料として話題の塩麹、しょうゆ麹、塩ヨーグルト等々 前者3品はこれまでの牡蠣料理でテスト済なので興味の対象は後者3品。
テストしてみましたよ〜♪
塩麹との相性ですが、味は良いけど麹の発酵臭が強く、塩ヨーグルトは酸味が強い。
結果、しょうゆ麹は牡蠣の為にあるようなマジック調味料でした。
牡蠣の旨味が格段に増し、混ぜるだけの簡単調理なのでお勧めです。
〇作り方は、2012年7月19日掲載の『しょうゆ麹クッキング〜鰹偏〜』を参考にしょうゆ麹を手作りしたら牡蠣をレアーにボイルして茹でた青菜と混ぜるだけ。最近、しょうゆ麹はスーパーでも市販されているので手作りが面倒な方でも簡単に作れますよ。
◇牡蠣入り出汁巻き玉子

どれもこれも渾身の作ですが、プレートに乗せてみてもどこか寂しく、彩が足りません。
お弁当にしたらなおさらの事。
元々牡蠣は栄養満点で美味しい食材ですが、華やかさに欠けるのが難点。個人的には滋味なお料理はそれぞれ味わい深いと思うのですが今回のお料理は美味しいだけでは、目的をはたせません。それだけに牡蠣の個性を生かし組み合わせる食材のチョイスが難しくなってきました。
そんな時は基本に帰ります。
美味しく見える色の組み合わせ、赤、白、黒、黄色、緑色…
赤か黄色の食材で牡蠣の風味を殺さずにお弁当にも入れられるお料理は…
お弁当定番の玉子焼きです。
牡蠣の風味を活かした出汁巻き玉子を試作してみました。
ボイルした牡蠣の茹で汁を出汁に使い、コロコロした牡蠣の当座煮を4〜5粒入れて巻き込みました。
出汁巻き玉子は生地が柔らかいのでまとまりにくく、牡蠣の当座煮を入れ込むのは難しかったので、私には玉子焼きの中央に治める事はできませんでした。それでもメンバーと試食してみたら、牡蠣の味と食感が美味しいからそれで勘弁して頂きましょう。
という事になったのでした。
噛みしめた時に広がる牡蠣のだしは誰をも無口にしちゃいますよ。
〇作り方は2011年2月3日掲載の『健康たまごで出汁巻き』を参考に合わせ出汁を牡蠣の茹で汁に変えてお試しください。
【メニュー開発室たより】

広島県産加熱用牡蠣と宮城県産生食用牡蠣のコラボレートをコンセプトに美味しくておしゃれな牡蠣料理のご希望です。
牡蠣料理といえば生食の他、フライ、鍋、焼き、シチュー等定番ですが、それらとは違い、且つ各ご家庭でも気軽に作れるメニューを考案して『牡蠣の消費拡大に貢献したい!』という思いが今回のメニュー開発に繋がりました。
お話しを頂戴してからほぼひと月という短期間で、メニュー考案から、試作、試食を経てビジュアル制作に至るまで、しかも一般の家庭料理では考えられない来賓者への配膳まで全てをお引き受けする事になりました。
苦心の甲斐あって下記のように嬉しい感想を頂きましたよ。
1.どれも牡蠣の旨味を活かした特徴ある料理であった。
2.柚子味噌和えは西日本で売れるだろう。
3.レアーな食感が宮城県産生食用牡蠣メニューの特徴であり、新たな可能性を
秘めている。
4.出汁巻き玉子は無条件に旨い。
5.晩酌セットに良いメニューである。
6.発酵調味料(しょうゆ麹)を使う所が新しい調理例である。
7.折鶴が箸置きになっていて粋だ。
私たちが想像していた以上に好評を頂けたのは、宮城県農林水産部食産業振興課の方たちの絶大なる協力があったからこそと感謝しています。
そして、日ごろから私たちを応援し、影&日向になって支えて下さっている県漁協の担当者さんから、『今回の仕事を、私たちに依頼して本当に良かった』というお褒めの言葉を頂きました。
私たちは、大変だったけど、次も頑張ろう!という新たな決意に繋がっているのでした。
【おわりに】

そんな習慣の私たちにとって、今回のセットメニューで、残念だったのがコロッケの熱々を召し上がって頂けなかった事です。
揚げ物は、お弁当の定番なので、冷めても美味しいのは基本ですが、やはり揚げたてが最も美味しく感じます。今回は、調理スペースが確保できず、仙台で調理して持参した為、仕方のない事とメンバー共々あきらめてはいたものの、この思いを実現できる機会があればと思わずにはいられません。
時代の最先端を身近に感じる首都圏において、今回の牡蠣料理に嬉しい評価を頂けたのは身に余る光栄ですがそれだけに一度限りのイベントで終わるのは、惜しい気持ちで一杯です。
出来る事なら、調理スペースが確保され、熱々のびっくりコロッケを召し上がって頂く事が出来るようにと願うばかりです。
一人でも多くの人に今回ご紹介のセットメニューを味わって頂き、各家庭で調理して頂けたなら、牡蠣料理のレパートリーを広げながら美味しく楽しい食卓に繋がるはずです。
広島県・宮城県は、東日本大震災により東北地方の牡蠣生産量減少がもたらす消費者の牡蠣離れにより、消費市場全体の縮小を懸念していますが、私たちのささやかな提案が両県産牡蠣の消費拡大に貢献出来たらとても素晴らしい事だと思うのでした。
【お知らせ】

復興支援『カキフェスタ』が行われます。
一人でも多くの方にご参加頂けますようお願い致します。
日時:平成25年1月19日(土)午前11時から午後3時まで
場所:池袋西口公園広場(東京都豊島区西池袋1−8−26)
内容
(1)震災復興状況のパネル展示
(2)かきの消費拡大にむけてチラシ配布やカキ剥き実演
(3)かき料理(焼きカキや土手鍋)のチャリティー販売
主催:広島かき生産対策協議会
(事務局:広島県漁業協同組合連合会(広島県漁連))
共催:広島県漁連・宮城県漁協・広島県・宮城県
後援:水産庁・全国漁業協同組合連合会