2012年02月16日

真鱈の白子焼き

真鱈の白子焼き
お値ごろ価格の贅沢

我が家は家族そろって鱈の白子が大好き。
お正月だから…
と奮発してみたものの1700円/120gと見事な高値。
120gじゃ、せいぜい夫婦で酢の物にして1人2切れぽっちです

市場のおばちゃんから『鱈1尾で買った方がお得だよ♪』
とのアドバイスが心に残り、1週間後に3800円でまるまる太った鱈1尾ゲット
キッチンばさみでお腹をチョキチョキしたら見事な白子が600gも入ってました。

鱈なんて裁いたこともない私にとっては、超無謀なお買いものでしたが、立派な白子の魅力に取りつかれ、家庭用の文化包丁とキッチンはさみで難なく捌き切りました。

料理人さんのように美しい切り身にしようと思うと敷居が高い鱈の丸買いも、多少骨に身がついていてもアラ汁になるし…
何より国産白子が半値で買えて、おまけに鱈の切り身(お刺身でもたべられる程の鮮度)が1尾分おまけでついてくると思えば『ルンルン』気分です。
お得感たっぷりで、頑張りがいがありますのでチャンスがあったらチャレンジしてみてね


白子の取り出し方と下処理
resipi-120216-2.jpg 白子を取り出すのは、キッチンばさみでチョキチョキの簡単作業。内臓に傷をつけなければ、生臭さもなく、捨てる部分はほんのわずか。お魚全体はちょっとヌルヌルしますが慣れてしまえば小さい頃のどろんこ遊び感覚がよみがえります。どうしてもこのヌルヌルが苦手。とおっしゃる方は100円ショップの炊事用ゴム手袋か使い捨て超薄型ゴム手袋の着用をおすすめします。捨てる内臓は新聞紙に包んでビニール袋に入れ、空気を抜いてからしっかり結んで捨てると匂いが外に漏れずにすみますよ。

〜準備物〜
 ・鱈    1尾
 ・塩    ひとつかみ(30g程度)
 ・冷水(水道水)  適量
 ・熱湯   約1リットル
 ・5%塩分の煮切り酒 大さじ2杯

〜下処理〜
 @ エラの下からお腹の部分にはさみを入れて白子を取り出します。
   所々、内膜と白子がつながっていますので、その内膜をハサミで切り、
   白子に傷を付けないように注意して取り出しましょう
 A 取り出した白子にひとにぎりの塩を全体にふりかけ、優しくこすり洗い
   してぬめりを浮かせます。
 B 白子のぬめりが全体に浮いてきたら、ボールに冷水を張り、2〜3回水を
   取り替えて冷水の中で優しくそのぬめりを十分に洗い落しましょう。
   * 白子に傷が付くといつまでも洗い水が白く濁りますのでご注意ください。
 C 洗いあがりのボールの水が白く濁らなくなったら水洗いは終わり。
   ザルに上げて水分を切ります。
 D ザルに上げた白子全体に熱湯の半量を回しかけ、ザルをゆすって白子を
   ひっくり返し、残りの熱湯をかけたら素早く冷水にあけて白子を
   絞めましょう。
 E 十分に冷えたら、ザルに上げて水分を切ります。
 F キッチンペーパーなどに広げ、食べやすい大きさに切りそろえ軽く
   水分を除いたら、浅いバットに並べ替え、5%塩分の煮切り酒を全体に
   振り掛けたら下処理完了です。
   冷凍保存の場合はバットごとジッパー付きビニール袋に入れ、空気を
   抜いて冷凍庫にGO!
 注意)
   私は今年初のチャレンジとして、年明け早々から鱈の1尾買いで
、    お年玉のように『白子600g』をゲットして、『鱈』にはまりまくりました。
   1週間に1度のペースで市場に鱈を買いに行き、5尾は捌いたでしょうか…
   回数を重ねるごとに(日を追うごとに)鱈の値は下がり、2月初旬
   2000円/1尾で買える日もありましたが、『白子の大きさや量』に
   違いがあり、お腹の中を開けてみないと白子の量や質がわかりません。
   時に白子200gという時もあり、おみくじで『凶』の気分の時もありましよ。
   まさに当たり外れがある事をご承知おき頂きたいと思います。


白子焼きの材料(2人分)
resipi-120216-3.jpg ・白子       100g〜150g
・柚子味噌     適量
・柚子の密煮    2個
・スプラウト    1/4パック

<作り方>
 @ 下処理して食べやすい大きさに切りそろえたら予熱しておいたガスレンジで
   両面白焼きします。
 A 軽くきつね色に焼き目が付いてきたらそれぞれに柚子味噌を軽く塗って
   再びガスレンジに入れて香ばしい味噌の香りが漂ってきたら出来上がりです。
   ※ 味噌は焦げやすいので焼き過ぎにご注意ください。


【日本の食文化を築いた鱈】
 魚編に雪と書く『鱈』は、雪の舞う季節にとれ、北海道や青森、みやぎなどで漁獲される北国を代表する魚です。
切り身、棒だら、すき身鱈、たらこ、白子などの食材は、日本の食文化に見事な伝統を伝えています。
鱈類には、ふつうにタラと呼ばれる、マダラや、身より『たらこ』が有名なスケソウダラの他、コマイ、チゴダラ、ソコダラなど日本近海には約90種類生息しています。
かまぼこや揚げかまぼこなどの原材料となっている日本近海産のスケソウダラや近海魚資源が激減の一途をたどる一方で、すり身の加工技術の開発により、練り製品の原料魚の需要は増えています。  … 食材図典/小学館より引用


【成分の特徴】
白身魚を代表する鱈の切り身は、きわめて脂肪の少ない超ヘルシーなお魚ですが、白子は切り身以上にカロリーが少ない食材です。一方、肝臓には脂肪が多く、肝油にはビタミンAが多量に含まれています。
又、たらちりなどの加熱調理品には、チオプロリンというアミノ酸が生成され、これが、体内で発癌性物質を抑制される事が研究されています。


【みやぎの鱈】
resipi-120216-4.jpg 3.11の東日本大震災以前のみやぎは、鱈の漁獲量も豊富で、かつては北海道に次いで全国2位でした。まだまだ復興とは程遠い沿岸の状況ですが、南三陸や石巻でも丸々と太った寒鱈が水揚げされているニュースも目にしています。
雄の方が高価で、お腹の中に入っているたっぷりの『白子』が高値の理由です。
『真鱈の白子』を私は幼い頃から『きく』と呼んでいましたが、この呼び名は石巻独自の呼び方で、北海道では『たち』と呼ぶそうです。この『きく』は、見た目が脳みそみたいで苦手!という人も多いようですが、我が家はこの『白子』をお吸い物や酢の物で食べるのが大好きです。新鮮な真鱈の白子は、美しい白色で、口に含んだ時のプリップリの食感と口の中でとろける感覚は私が幼い頃から変わらず、贅沢にも子供たちにまで受け継いでしまった好みとなりました。
私たち宮城県人も海産物の放射能汚染は未だに心を痛めていますし、心配ですが、平成24年1月、宮城県は、全ての農林水産物について,暫定規制値を下回り,安全性に問題がないことを確認しています。
是非、食材王国みやぎの海産物を美味しく召し上がり、復興を応援して頂きたいと思います。

【あとがき】
resipi-120216-5.jpg 今回は、鱈を1尾を捌き『白子』にスポットを当ててご紹介いたしました。
白子料理は、当サイトでも人気の『真鱈の白子酢』を2009年12月にご紹介していますが、分析を進める中で『真鱈の白子 レシピ』をキーワードに検索されている事から改めて今回のお料理に仕立ててご紹介いたしました。
今年になって、鱈の1尾買いにはまった理由は、白子がスーパー価格より安く手に入るのが理由とも言えますが、売られていた鱈が、『国産/石巻漁港水揚げ』ということもあり、微力ながら美味しく食べて被災地の復興の一助になればとの思いからでした。
鱈を1尾捌けば、当然白身魚も美味しく頂きました。
豊富にメニュー展開した鱈料理も後日お知らせいたしますのでお楽しみに〜( ..)φメモメモ!
寒鱈の旬も終盤で、間違いなく白子はお正月の頃より手に入りやすい価格になっています。
残り少ない、寒い季節の旬の味を是非お楽しみ頂きながら宮城の復興にお力添え頂ければ幸いです。



佐藤 綾子

posted by 料理 レシピ at 10:00| レシピby佐藤綾子