2010年11月18日

ぼっけ汁 〜汐仕立て〜

ぼっけ汁
食材王国みやぎ 11月の地産地消応援メニューpart2

暖房器具が手放せなくなり、朝晩の冷え込みが厳しくなり始めると恋しくなるのが鍋料理や汁物。
今年は猛暑の影響で白菜などの葉もの野菜や、不漁の報告が続くお魚類など鍋や汁物に入れる食材が例年より割高です。
そんな台所事情の時こそちょっぴりグレードアップのお料理を!!
一般的には味噌仕立ての宮城の郷土食として知られる『ぼっけ汁』を高値の食材に見合うちょっと高級感を漂わせた、汐汁に仕立ててみました。

柚子胡椒が更に美味しさを引き立てます。
いつもより大ぶりの器で、“熱々を召し上がれ!!”

ぼっけ汁材料(3〜4人分)
resipi-101118-2.jpg  ・ぼっけ    大きめ1尾
 ・白菜     1/4個
 ・豆 腐    1/4丁
 ・えのき    1束
 ・しいたけ   1パック
 ・ひらたけ   1パック
 ・長ねぎ    1本
 ・昆布だし   4C
 ・酒     大さじ1杯
 ・塩     小さじ2杯
 ・薄口醤油  大さじ1杯

下準備
 1.ぼっけはよく洗い、うろこをとる。
 2.頭、内蔵、えら、尾びれ、背びれ、腹びれを切り落とし、内臓の内、胆は
   洗っておく。
   ※ 尾びれ、背びれ、腹びれは丁寧に取り除く
     (骨が硬いので食べるときに気になる)
   ※ 頭から美味しい出汁が出ますよ〜♪
 3.身は二枚に開き、食べやすい大きさにぶつ切りにする
 4.捌いたぼっけをざるに並べ、熱湯をかけて霜降りする

作り方
 1.昆布だしを沸騰寸前まで加熱し、ぼっけの頭を入れて更に沸騰寸前まで
   加熱したら火を弱めて1時間程(頭の原型が崩れるのが目安)中火で沸騰
   しないように煮出して旨味じっくり引き出します。
 2.一旦ざる等で濾して骨を取り除く
 3.濾した煮汁に酒、塩で味付けし、白菜を入れて軟らかくなるまで煮る。
   (沸騰させない火加減に注意)
 4.きのこ類、豆腐、葱を入れて煮立ってきたら白しょうゆを入れて味を調え、
   最後にぼっけを入れて白身魚に火が通ったら出来上がり。

美味しく仕上げるポイント
 @ なんといっても魚の鮮度と下処理(霜降り)の他火加減が重要です。
   汁物は強火で沸騰させると風味がどんどん逃げていきますし灰汁が
   出てきます。
   一方火加減が弱すぎると汁が濁ってきます。
 A 白身魚は火を通しすぎるとパサパサしてきますし、身がポロポロ崩れやすく
   食べにくくなりますので最後に軽く火を通す程度にしましょう!


【みやぎのぼっけ】
resipi-101118-3.jpg 宮城の冬の味覚はたくさんありますが、鍋物や汁物で食される産地限定で親しまれているのが『ぼっけ汁』。
市場に並び始めた『ぼっけ』をみつけた人々からは『あ〜!もうそんな時期なのね!!』なんて声が自然にとび出す秋を代表するお魚でもあるんです。
そういえば、ぼっけの別名:カジカ『鰍』は魚偏に秋と書くお魚でしたっけ。
石巻市や七ヶ浜町で10月中旬から11月中旬にかけて水揚げされ、毎年七ヶ浜町で行われる『ぼっけ祭り』には味噌仕立てのぼっけ汁が、2000食準備されているそうです。
ぼっけ祭りが終わる頃には近所のスーパーでも『ぼっけ』の姿を見かけ、思わずその夜はぼっけ汁となりました。
今どきのスーパーはお魚売り場でお願いすると、ちゃんと捌いてくれるので大助かりです。

ぼっけのプロフィールと特徴 … カサゴ目カジカ科
resipi-101118-4.jpg  標準名はケムシカジカ。
日本の淡水産カジカ類6種のうちの一種類
見た目は毛虫かゲジゲジのようにゴツゴツした頭にトゲトゲした背びれや腹びれに覆われていますが、白身魚で味は淡白、内臓もきれいで捨てるところが無いとも言われるほど。肝(肝臓)は脂がのってて更なる美味。卵が入ってたらラッキーで、粒々が大きくて食べ応えもあります。
ぼっけは、年々水揚げ量が減っていて、秋の気配が深まると水揚げされるのを待っている高級飲食店が多いため中々一般のスーパーには並ばない高級魚です。
『ぼっけ』とは宮城県独自の呼び方で、他では『カジカ』と呼ばれているそうです。
ちょっと怖い顔をしていますが、この頭の部分からとても良いお出汁が出ることから『鍋こわし』の別名もあり、あまりの美味しさに鍋が空になることから付いたといわれています。

あとがき
resipi-101118-5.jpg  今回、宮城に生まれ育っていながらにして『ぼっけ』というお魚を始めて知る機会に恵まれました。
好奇心旺盛な筆者は怖いもの見たさで塩釜市場や七ヶ浜の現地に車を走らせ様々な方にご迷惑をおかけしつつお話しを伺いました。
おかげさまで取材を終了させる頃にはぼっけと仲良しでした。
 ご紹介致しましたレシピに仕上げる途中、わが家では味は良いけど骨が硬くて痛い!!という理由でぼっけ鍋禁止令が出てしまい、下処理として骨を濾すという知恵が生まれました。地元の方々にとって魚には骨があって当たり前であり、地域の食文化を育てつつ『ぼっけ汁』が定着した様子を伺い知り、育て、育む尊さを学んだ気が致します。七ヶ浜町の郷土食として馴染まれている味噌仕立てもお試し頂いて秋&冬を彩る温かい汁物バリエイションとして旬の時期に度々食卓に登場させて頂きたいものです。
最近ではぼっけ鍋禁止令は笑い話となり、温かい食卓を夫婦で楽しんでいます。



佐藤 綾子


posted by 料理 レシピ at 19:08| みやぎの地産地消