2010年04月15日

きゃら蕗

きゃら蕗
母から受け継ぎ次世代に繋ぐおふくろの味

山々も萌黄色から柔らかな緑色に変わる頃、食べたくなるのが「きゃら蕗」。
亡母の自慢の1品でした。
“きゃら蕗を 煮返す妻や 今日も雨”という歌がありますが、雨の日は、庭先に生えている山蕗を摘んできては大鍋でクツクツと炊いて、常備菜としていたものです。
子供の頃はほろ苦い蕗が嫌いで、なんで大人はこんなものが美味しいんだろう???と思ったものですが・・・年を重ねた今では、ほろ苦さが旨い!!!と、母の味を思い出しながら、雨の日にはじっくりと取り掛かります。

漢字では伽羅蕗と書き、醤油味で濃い茶色(伽羅色)に出来上がる事からついたといわれています。
そうそう・・・砂糖を茶色に焦がしたものもカラメル(キャラメル)って言いましたっけ。♪

細い山蕗が出回るこの時期に作りおきし、温かいご飯のお友に、きんきんに冷えた冷酒のつまみに、おにぎりにと欠かせない我が家の保存食です。

材料(作りやすい分量)
 ・蕗(細い山蕗)     300g
 ・重曹、塩        各適宜
 ・醤油          50〜60cc
 ・砂糖          30〜40g ※あればザラメ
 ・酒           40cc
 ・赤唐辛子        適宜     ※種をとって輪切り

作り方
 1.葉を切り落としよく洗う。5〜6本ずつとり、まな板の上で、塩を少し
   振ってからゴロゴロところがし毛羽を取る。
 2.もう一度洗ってから4cm位に切りそろえる。皮はむかない。
 3.鍋に湯を沸かし、沸騰したら重曹をひとつまみ入れて、切った蕗を
   湯に通し、すぐに冷水に浸す。
 4.2、3回水を換えてアク抜きをする。
 5.厚手の鍋に調味料を煮立て、蕗を加えて落し蓋をし、中火から弱火で
   焦がさないように時々鍋をゆり動かしながら煮る。
 6.汁気が少なくなってきたら火を止めて一晩おく。
 7.翌日もう一度火を加えて汁気がなくなるまでじっくりと煮上げる。

あとがき
 * なるべく細い山蕗を求めます。野生のほうがずっと香りが高いので、自分で
   採るのが一番ですがこの時期は「道の駅」や「農産物直売所」などで
   販売されていますので、ドライブがてら探して見ましょう。
 * 調味料に水は加えません。水が入るとカビが生えやすくなります。
   甘味や辛味は好みに調節しましょう。また、山椒や柚子こしょう等で
   味の変化も楽しんでみてください。
 * 煮ている途中で蕗に汁気がなくなると硬くなってきます。その時には、
   火を弱めてお酒を少々加えてまたコトコト煮ます。
 * 保存容器に入れて冷蔵庫で保存すれば長期保存できます。
 * 蕗には繊維質やミネラルが豊富です。忙しい朝ご飯やお弁当のおかずの
   強い味方になってくれます。



色川 恭子

posted by 料理 レシピ at 10:00| レシピby色川恭子