
母から受け継ぎ次世代に繋ぐおふくろの味
山々も萌黄色から柔らかな緑色に変わる頃、食べたくなるのが「きゃら蕗」。
亡母の自慢の1品でした。
“きゃら蕗を 煮返す妻や 今日も雨”という歌がありますが、雨の日は、庭先に生えている山蕗を摘んできては大鍋でクツクツと炊いて、常備菜としていたものです。
子供の頃はほろ苦い蕗が嫌いで、なんで大人はこんなものが美味しいんだろう???と思ったものですが・・・年を重ねた今では、ほろ苦さが旨い!!!と、母の味を思い出しながら、雨の日にはじっくりと取り掛かります。
漢字では伽羅蕗と書き、醤油味で濃い茶色(伽羅色)に出来上がる事からついたといわれています。
そうそう・・・砂糖を茶色に焦がしたものもカラメル(キャラメル)って言いましたっけ。♪
細い山蕗が出回るこの時期に作りおきし、温かいご飯のお友に、きんきんに冷えた冷酒のつまみに、おにぎりにと欠かせない我が家の保存食です。
材料(作りやすい分量)
・蕗(細い山蕗) 300g・重曹、塩 各適宜
・醤油 50〜60cc
・砂糖 30〜40g ※あればザラメ
・酒 40cc
・赤唐辛子 適宜 ※種をとって輪切り
作り方
1.葉を切り落としよく洗う。5〜6本ずつとり、まな板の上で、塩を少し振ってからゴロゴロところがし毛羽を取る。
2.もう一度洗ってから4cm位に切りそろえる。皮はむかない。
3.鍋に湯を沸かし、沸騰したら重曹をひとつまみ入れて、切った蕗を
湯に通し、すぐに冷水に浸す。
4.2、3回水を換えてアク抜きをする。
5.厚手の鍋に調味料を煮立て、蕗を加えて落し蓋をし、中火から弱火で
焦がさないように時々鍋をゆり動かしながら煮る。
6.汁気が少なくなってきたら火を止めて一晩おく。
7.翌日もう一度火を加えて汁気がなくなるまでじっくりと煮上げる。
あとがき
* なるべく細い山蕗を求めます。野生のほうがずっと香りが高いので、自分で採るのが一番ですがこの時期は「道の駅」や「農産物直売所」などで
販売されていますので、ドライブがてら探して見ましょう。
* 調味料に水は加えません。水が入るとカビが生えやすくなります。
甘味や辛味は好みに調節しましょう。また、山椒や柚子こしょう等で
味の変化も楽しんでみてください。
* 煮ている途中で蕗に汁気がなくなると硬くなってきます。その時には、
火を弱めてお酒を少々加えてまたコトコト煮ます。
* 保存容器に入れて冷蔵庫で保存すれば長期保存できます。
* 蕗には繊維質やミネラルが豊富です。忙しい朝ご飯やお弁当のおかずの
強い味方になってくれます。