2009年11月19日

クリスマス?カルパッチョって何だっけ??

ほたてのカルパッチョ
ソースで遊ぶ『おがつホタテ』(地産地消11月のお料理教室メニュー)

今や宗教に関係なく国民行事となったクリスマス。
時の流れとともに日常食となったイタリアン。

クリスマスカラーもイタリアカラーも『赤・緑・白』
純潔を意味するホタテ貝の白を主役に、それぞれのソースにも意味合いを込めて!

『カルパッチョ』は、加熱調理した肉を食べることを禁じられたベネチア伯爵夫人のために牛肉を薄くスライスして提供された事がはじまりのお料理。
高貴なお料理だからこそ『おもてなし』にはぴったり!

おもてなしなら一番おいしい食べ方を!!
表面を軽くローストしてふっくら&プリプリの貝柱も添えました。
チーズやオイル、ハーブ類を欠かせないイタリア料理ですが、日本料理の基本をコラボさせヘルシーかつ大胆に組み合わせたパーティー料理を遊び心たっぷりにご紹介です。

様々な想いを込めた逸品を一人でも多くの方にお楽しみ頂きたいものです。

【活ホタテのカルパッチョ】
 船の上で獲れ立てホタテを海水で洗ってその場で食べるのが何よりの贅沢。
日本人なら活ホタテは、ワサビに醤油でしょう!
それらの事を心の中に閉じ込めて、クリスマスパーティーにふさわしく遊び心を盛り込んでカルパッチョに仕上げてみた。
華美になりすぎず、装飾にこだわらず、自然との共生をテーマに色とりどりのソースをアクセントとして活ホタテに彩りを添えている。

材 料(2〜3人分)
 ・ホタテの貝柱    5〜6個
 ・カルパッチョソース(3種) 各大さじ2杯
  ※作り方は下記参照
 ・サラダほうれん草  適量
 ・フェンネル(ハーブ)少々

作り方
 1.ホタテの貝柱を刺身状にスライスする。
   (厚みのある立派なホタテの貝柱が準備できる場合、貝柱の繊維にそって
   スライスするとホタテの旨味だけじゃなく、食感もお楽しみ頂けます)
 2.刺身の他に表面を軽くローストしたものと2種類準備し、食べやすい
   ように縦に包丁を入れる。

活ホタテのさばき方part2
 10月20日掲載の『新鮮ホタテで七五三のお祝い』中段でさばき方を致しましたが、『おがつホタテ』の取材で貝柱をもっと簡単に取り除く方法を教わりました。
 1.貝殻をたわしなどで、きれい洗います。
 2.蝶番をはずし、貝殻の隙間から平らな方にできるだけ貝殻に沿って
   ナイフを入れ貝柱をはずします。
 3.平らな方を下にして蝶つがい左脇側貝柱部分にナイフが入ると、
   カパッ嘘のように貝柱の力がなくなり、2枚の貝殻は完全に口を開きます。
 4.湾曲している貝殻に内臓を含む全ての内容物がついていますので、
   蝶つがい部分からひもや中腸線ごと貝殻からはずし、ていねいに引っ張ると
   貝殻に貝柱のみが残りますので、貝殻からこそげとりましょう!!
 5.ひもを内臓と分離し、包丁の刃先でヌルヌルした部分や黒い汚れを
   かき落とします。
 6.3%の食塩水で、掃除した貝柱を洗います。


【赤いソース】
 純潔を意味するホタテ貝の白にイエスキリストの血清を意味する赤いソース。
季節的にクリスマスともなると各地を代表する大粒の苺が出回り、フレッシュ苺で食べるソースを合わせたかったが、残念な事にそれもかなわず、苺ジャムを代用とした。
意外性もあり、会話が弾むこと間違いない!!

材料/作りやすい分量
 ・苺ジャム(アオハタ55)  大さじ1杯
 ・ワインビネガー       大さじ1と1/2杯
 ・旨塩            ふたつまみ
 ・グレープシードオイル    大さじ  1/2杯
 ・さらし玉ネギ        大さじ1杯

 ※お好みで白コショウ少々を加えても美味しい。
 ※イタリアンといえばオリーブオイルを連想しがちであるが、今回は
  無味無臭のグレープシードオイルを用いた。苺ジャムの甘い香りを
  最大限に活かしている。

作り方
苺ジャムをワインビネガーで溶き、旨塩・グレープシードオイルを入れてよく混ぜ合わせ、最後にさらし玉ネギを入れて軽くまぜあわせたら出来上がり。


【緑のソース】
 寒い季節にでも生き生きとした色をつけている常緑樹は、強い生命力を象徴するといわれ、エバーグリーンをイメージした緑色のソース。
夏にたっぷり保存しておいたバジルペーストと身近なマヨネーズを組み合わせただけの簡単ソースは風味も豊か。
バジルはハーブの中でも一番くせが少なく馴染みやすい。もちろん市販のジェノベーゼを使ってもOK。
簡単なのに手作り感たっぷり!!

材料/作りやすい分量
 ・マヨネーズ    大さじ1
 ・バジルペースト  大さじ1
 ・牛乳       小さじ1
 ・塩&コショウ   適量

作り方
バジルペーストにマヨネーズを加え、よくまぜあわせたら、粘度(とろみ加減)を牛乳で調整し、塩&コショウで好みの味に仕上げる。


【黄色のソース】
黄色のソースを加える事で食卓が一段と華やぎ、パーティーらしく仕上がる。
3種類のソースの中では日本食を代表する黄身酢といわれるソース。
湯煎によるゆるやかな加熱でとろみをつけていく技法を備えたいもの。

材料/作りやすい分量
 ・卵黄      1個分
 ・煮きり酒    小さじ1杯弱
 ・煮きりみりん  小さじ1杯強
 ・酢       小さじ1杯
 ・醤油      数滴

作り方
 1.卵黄をミニホイッパー等でよく溶きほぐし、煮きり酒、煮きりみりん、
   酢を入れて更によく混ぜ合わせる。
 2.上記1を湯煎にかけながら更にミニホイッパー等でまぜあわせながら、
   たまご液全体が均一に加熱されるように注意しながらとろみをつけていく。
   ※卵黄は、64℃から粘度が上がり始め、70℃で凝固するため分離する
    場合があるので注意する。
 3.適度にとろみがついたら湯煎からはずし、醤油を加えて風味付けする。

【おがつホタテ】
resipi-091119-2.jpg 宮城県は、北海道・青森県に次ぐホタテの産地で、中でも石巻市雄勝地区は県内堂々の1位。
知る人ぞ知る『おがつホタテ』は、何と言っても大きさに驚かされる。
身が厚くプリプリしている貝柱は、後味の良いはっきりとした甘味が特徴で、さらに旨味を極めているのが通称『ヒモ』と呼ばれる外套膜である。肉厚な食べ応えに加え、コリコリした食感は、貝柱とは全く異なり、噛み締めるごとに海の香りが広がる。
『一粒で2度美味しい』おがつホタテ。
 旬を迎えた最高級のホタテ事情をご紹介したい。

【おがつホタテの養殖について】
resipi-091119-3.jpg 雄勝湾では、牡蠣やウニ、海のパイナップルと呼ばれるホヤの他、海藻類でお馴染みのワカメや海苔も養殖されているが、なんといってもホタテ貝の生産量が多い。
ホタテ貝は、日本の中でもいち早く養殖に成功していて、現在の食料自給率向上に寄与している事は間違いない。又、貝類は貝毒を恐れられるが、ホタテ貝はウロと呼ばれる中腸線に有害プランクトンを溜め込む習性があり、これを排除すれば安全である。

 南三陸に位置する雄勝湾は、山から流れ出る木々に浄化された自然の水が豊富に流れ出る事で養殖にむいている。
特に雄勝地区は県内でも雨量が多く、ホタテ貝の餌となるプランクトンが豊富なため成長が早い。北海道からやってくる稚貝はたっぷりの餌により元気に成長し、見た目も豪華で、旨味&甘味たっぷりの『おがつホタテ』となる。
resipi-091119-4.jpg  『おがつホタテ』の品質の良さは、毎年恒例のホタテ祭りで宮城県内外の人々に支持され、14年間続いてきた。
ほたて祭りは、入場者10000人。早朝8時半からの販売に行列ができ、小さな港町に渋滞を引き起こすほどの人気ぶりだ。
仙台市内に住む筆者の友人も1時間半車を走らせホタテ祭りの行列に並ぶときく。
その理由は、なんといっても生産者の品質に対するこだわり、早朝の水揚げではないだろうか?!
『活ホタテ』よく耳にする言葉ではあるが…
お祭りに販売される16トンものホタテを当日朝に水揚げされるという。
『活ホタテ』であれば良い!!
という考え方ではなく、新鮮で元気なホタテを食べて欲しいという願いが込められている。
resipi-091119-5.jpg  私達は、たった今、目の前で1本のロープが海の中から引き上げられ、無造作(選別されている訳でもない)に採取されたホタテ貝がいくつか捌かれる様を目の当たりにした。
どれもこれも大きな貝殻にびっしり身がつまっていて、これまでの常識をくつがえす程貝柱が厚い。

その貝柱を、口に含むと海水を感じさせないほど甘く、プリップリの貝柱を噛み締めるごとに透明感のある元気な旨さが踊り出す。
そして驚く事に海鮮でありながらすっきりとしたキレの良い後味である。

筆者は、生産者の方が微笑みながら何気なくおっしゃっていた『この良さを届けたいんだよね…』のこだわりを五感で感じ取った。
 そして、美味しいものには厳しい評価のメンバー一同、『よそのホタテは口にできないわね…』と満面の笑みだった言は言うまでも無い。

 『おがつホタテ』を知って頂くお料理教室、引き続きごらんください。

Dateねぇちゃんのお料理教室レポート
 早くも8回目となった地産地消のお料理教室。
今回は宮城県漁業協同組合・雄勝湾支所のご協力を頂き、「食材王国みやぎ」が誇るプリプリの「おがつホタテ」をふんだんに使った「七五三メニュー」のご紹介です。
resipi-091119-6.jpg 休日にも関わらず、朝早くからたくさんの活ホタテを届けてくださった支所長の千葉さんに、「雄勝産活ホタテ」の特徴などについてお話を頂戴した後、早速「ホタテのさばき方」についてレクチャー頂きました。

@ホタテのさばき方
宮城に住んでいるとは言え、なかなか殻付きのホタテを調理したことのない方にとって、まさに「目からウロコ」の連続。
 あっという間にさばいて行く千葉支所長さんの技を少しでも習得しようと、皆さんも真剣な表情で手元を見つめます。
さばき方は2009年10月20日掲載の「新鮮ホタテで七五三のお祝い」の活ホタテのさばき方よりとっても簡単です。
 貝殻にホタテの貝柱を付けたまま、まわりのひもを取ることも初めて知ったと言う方がほとんどで、「え〜初めて見た!」
「こうすると、簡単だわ!」
「今まで全部殻から外してたから、上手にできなかったのね〜」の声も聞かれました。

resipi-091119-7.jpg  更に、取ったひもの掃除の仕方にもびっくり!
ひもを目の粗いザルにのせ、80℃くらいのお湯をかけて直ぐ冷水で洗い流すと、あっという間にきれいになるなんて「生まれて初めて!」とい方が多く、本当に「目からウロコ」が落ちっぱなしでした。

 さばき方を教えていただいた後は、実際に皆さんにもさばいてもらいましたよ♪
あまりに新鮮なホタテだったためか、貝殻の蝶番に隙間がなく苦戦しているようでしたが、要領がわかればあとは怖いものなしですね。
熱心に取り組む姿に、千葉支所長さんも教え甲斐があったのではないでしょうか。
朝早くから、本当にありがとうございました。
千葉支所長さんからバトンタッチした向日葵ママは、今日のメニューについての説明です。

A活ホタテのお赤飯(炊きぶかし)&カルパッチョソース
resipi-091119-8.jpg  お赤飯のピンク色の素は、なんとカキ氷などに使う「グレナデンシロップ」。
「何ですと?カ、カ、カキ氷のシロップ???」と言いたげな表情の皆さんですが、「後で出来上がりを試食していただきますので、お楽しみに!」と微笑む向日葵ママ。
果たして皆さんの感想はいかに・・・。

カルパッチョに添えたのは3色のソース。
 せっかくですから、いろいろなバリエーションをご紹介したいということで、もう直ぐやってくるクリスマスにも展開が可能なように、赤と緑と黄色のソースで彩と味のアクセントを添えたカルパッチョです。
殊に、「赤のソース」は苺ジャムを使うと言う斬新なアイディアにまたしても一同唖然!!
こんなおちゃめな発想が大好きな向日葵ママなのです。

B素味噌の作り方&ホタテと茄子の素味噌焼き
resipi-091119-9.jpg メインに使う「素味噌」の作り方を伝授。
日本料理の技法の一つとされる「素」に味噌で風味付けした「素味噌」は、ほとんどの方が初めての体験だったようで、卵黄に塩を入れて攪拌しただけでとろみが付いてくる様子に興味津々。
 更にサラダ油を少しずつ加えて混ぜ合わせて行くと、とろりと滑らかなソースに変身していきます。

そしてここからが技ありのポイント。
白味噌(西京味噌)に、滑らかになったソースの半分を加えダマが無いように充分に混ぜてから、またソースに戻し入れ、更に充分に混ぜ合わせるという方法。
ソースと白味噌の粘度が違う為、いきなりソースに味噌を加えて混ぜてもなかなか混ざらず、ダマになりやすいとのことで、丁寧な作り方でワンランク上の味わいになることを教えていただきました。

C黄身酢の作り方
 「素味噌」と見た目はあまり変わりませんが、粘度の出し方には大きな違いがあり、卵黄の凝固温度などの説明もありました。皆さん、熱心に聞き入っています。
暑がり屋さんの向日葵ママは、皆さんの熱気と湯煎の熱に、汗だくになりながら奮闘しています。

Dお手軽エビ真薯のお吸い物
resipi-091119-10.jpg お祝いの席にはいつもと違う椀物があると、ぐっと格調高くなりますが、「真薯」を一から作るとなると億劫に感じます。そこで、市販品を上手に使えばフワフワでプリプリの上品なお吸い物が簡単に出来ちゃう裏技を教えていただきましたよ。

メインで使う「はんぺん」は、元を辿れば「真薯」と同じような材料ですから、もはや半分完成したようなもの。
手早く「フードプロセッサー」を使って仕上げれば、あ〜ら簡単!わずか2分足らずで椀種の出来あがりです。
 中には三つ葉を軽く結んでお椀に添えたチームもありました。
ひと手間かけて更にグレードアップ。
さすがです!!!

resipi-091119-11.jpg  内容が盛りだくさんだったため、時間をオーバーしてしまいましたが、「七五三」に相応しい華やかで、上品なお料理が完成しました。
 どれもこれも初めて出会う味わいに、皆さんも試食が楽しみだった様子で、和やかに試食が始まりました。

お子さん向けのメニューではありますが、「素味噌焼き」も本格的な日本料理の技法を使い、ホタテの美味しさが凝縮されるレア状態に仕上げてあるため、プリプリの食感と旨みや甘みに感激されていました。

「グレナデンシロップ」を使ったお赤飯は優しいピンク色に染まり、ほんのり甘い味わいは小さなお子さんでも満足して頂けたようで、お母さんと一緒に参加してくれた女の子もパクパク食べてくれました。ホタテのダブル使いで旨みも充分。大人も大満足の様子でした。

 お吸い物はとっても簡単なのに「ふわふわだ〜!」とか「上品な味わい!」とか「料亭の味!!」と褒めていただけて、私たちもうれしい限りです。

resipi-091119-12.jpg 愛情たっぷり心を込めて作った料理は、人の心に響くと信じる私たち。
小さな「美味しい!」や「うれしい!」が積み重なって、笑顔に溢れるお料理教室になったらこんなにうれしいことはありません。
これからも皆様のお役に立てるメニューをご紹介したいと思っています。


佐藤 綾子


posted by 料理 レシピ at 10:00| みやぎの地産地消