2009年09月10日

お彼岸定番の地方食/さんこや汁

さんこや汁
郷土に根付く母の味

何やら聞きなれないこの名前。
それもそのはず、宮城県の「登米地方」限定かもしれないという精進料理です。
お彼岸やお盆の朝には毎日必ずこの「さんこや汁」を頂きます。

 どうして「さんこや汁」と言われるようになったのか、定かではありませんが、油揚げ・豆腐・こんにゃくの3つの食材を使うことから、知り合いの和尚さんの話では「三香汁」と言う文字を当てるのではないか・・・とのこと。なるほど三つの香りの汁というわけですね。

 作り方はいたって簡単。
油揚げを細切りにして出汁代わりにしてコクを出し、豆腐とこんにゃくも同じように細切りにして、醤油で味付けしたシンプルなものです。

 母が言うには、醤油は貴重な物だったそうで、みそ味以外の汁物が、ある種のおもてなし料理だったのかも知れないとのことでした。

 何時ごろから食べられるようになったのかは解りませんでしたが、郷土に根付いている食べ物と言うのは、不思議な力があるものですね。

材料(4人分)
 ・水        800cc
 ・油揚げ      1枚(8cm×13cm位)
 ・こんにゃく    1/2枚
 ・豆腐       1/2丁
 ・醤油       大さじ1強
 ・薄口醤油     大さじ1
 ・日本酒      小さじ2

下処理
 *油揚げを縦に半分に切ってからやや太めの千切りにして、熱湯で2〜3分下茹でをする
 *こんにゃくは厚さを半分にしてから太目の千切りにし、同様に下茹でする

作り方
 1.鍋に800ccの水を入れ、下処理した油揚げを加えて沸騰するまで火にかける
 2.沸騰したら火を弱め、5分ほど煮込んでコクを出す
 3.そこに下処理したこんにゃくを加え軽く沸騰したところで、薄口醤油と日本酒を
   加えたら、アルコール分が飛ぶように2〜3分中火にしておく
 4.豆腐は厚さを4〜5等分にしてから、他の材料と同じように太目の千切りにして
   加え、沸騰直前まで加熱したら醤油を加え、おたまで一混ぜして味見をし、
   最後に醤油で味を整えたら出来上がり

 * だし汁が入らない分、薄味にすると間抜けな味になるのでしっかり目の味に
   仕上げてください。
 * お好みでみりんを少し加えてもいいでしょう。
 * 精進料理なので薬味は加えません。

あとがき
子供の頃から食べ慣れた味と言うのはなぜか「ほっとする」味で、今でも泊りがけでお墓参りに帰ったときには、必ず食べる田舎の味です。

同じ宮城でも、仙台近郊では「おくずかけ」(2008年2月4日掲載寒ブリの混ぜご飯参照)というお宅も多いのかも知れませんね。

 いずれにせよ、せめてお彼岸中に一日くらいは精進料理を食べるのもいいのではないでしょうか。
田舎の味はそれを味わって育ち、家族から作り方を学び、さらに次の世代へ伝えて行ってこそ意味があるように思います。

 いつかそうやって伝えた物が「お袋の味」として残ってくれたら、うれしい限りです。


西舘 友子

posted by 料理 レシピ at 10:00| レシピby西舘友子