
生食用銀鮭のメニューバリエーション(食材王国みやぎ6月の地産地消応援メニュー)
食材王国みやぎが誇る夏の魚の代表は養殖技術が格段に向上した「銀鮭」
泥臭い、生臭いなどのマイナスイメージは、払拭されています。
品質は管理方法により様々。
格段においしい「銀鮭」がありますよ!!
今回は刺身用のフィレが特別に手に入ったので、簡単でさっぱり味のマリネを作ってみました。
マリネといったら何かしらの「油」が入るのが普通ですが、このさっぱりマリネには一切加えません。
とろけるような銀鮭のこくと旨みを活かしつつ、中高年の方も安心して食べられるヘルシーメニューに仕立てました。
旬菜弁当のページでもご紹介している通り、銀鮭は栄養価に富んだ魚ですから、食べない手はありませんよ。
これからどんどん暑くなりますが、しっかり冷やしたマリネは食欲が落ちても食べやすいですね。
作り方も簡単なので一品足りない時のお助けメニューとしても活躍しますよ。
ぜひお試しください。
材料(3〜4人分)
・銀鮭刺身用(腹身) 120g・玉ネギ(中) 1個
・塩 適量
・コショウ 適量
・酢 大さじ1/2
・パセリ 一枝(生が無ければドライでも可)
・フェンネル(鮭に合うハーブ)二枝(生が無ければドライでも可)
・グレープフルーツ(中) 1個
準備
*銀鮭は食べやすい大きさに切っておく(お刺身になっている場合はそのままでOK)*玉ネギは繊維に沿ってスライスし、軽く塩を振ってしんなりさせておく
*パセリとフェンネル一枝は硬い茎を取り除き、みじん切りにしておく
*グレープフルーツは中の房から出して、食べやすい大きさに裂いて冷やしておく
作り方
1.銀鮭に塩・コショウをやや多めにして5分ほどおく2.その間に玉ネギの水気を絞り、ボウルにいれておく
3.刻んだパセリ、フェンネルも加える(ドライの時は控えめに加えましょう)
4.塩・コショウをした銀鮭に酢大さじ1/2を加え、軽く〆てからBのボウルに
入れ全体を混ぜ合わせる
5.味見をして軽く塩で味を整え、冷蔵庫で1時間ほど冷やしたら食べ頃
6.冷やしておいた器にグレープフルーツを敷いて、その上にマリネを盛り付け、
仕上げにフェンネルを飾ればできあがり
* 材料が揃っていれば、家事の合間にぱぱっと作れてしまう簡単レシピが、
何と言ってもうれしいですよね。
ワインやビールのお供にもぜひどうぞ!!
みやぎの銀鮭

(宮城県漁連HPより)
今では養殖の先駆けだった志津川町に加え女川町でも生産され、銀鮭の全国生産量の90%以上は宮城県産だということです。
しかし残念なことに、宮城県内の消費量は生産量の1割にも満たないのだとか。 (2009年5月2日付の河北新報より抜粋)
私を含め宮城県の皆さんは、どうやら養殖が始まった頃の「泥臭い、生臭い」などのマイナスイメージが未だに強いようです。
港町に住む友人も「わざわざ銀鮭を選んで食べなくても・・・」とか「知り合いから頂いたら、まぁ食べるかな・・・」と言う程度の認識でした。これでは新鮮な魚介類が手に入りやすい環境にある県内消費にとってあえて『銀鮭』という選択にはならず、県内消費が伸び悩むのも当然なのかも知れません。
宮城県漁連のHPや河北新報の記事等で「配合飼料の改良で、泥臭さはかなり改良された」という情報はあるものの、先入観とは恐ろしいもので地元スーパーに並んでいても積極的に買い求めたいとは思えないからです。
それと言うのも、私達消費者は今回ご紹介のような「品質の良いみやぎの銀鮭」を食べてみる機会に恵まれず、おいしい銀鮭がみやぎで生産されている事を実体験として知らずにいます。
地産地消が推進されている現在でも「銀鮭を買って食べてみなくちゃ!!」という購買意欲を掻き立てられることなく、これまで過ごしてきました。
変わったんですよ!
これまでの銀鮭の品質が格段に向上し、おいしいんです。
誇りをもって宮城の「銀鮭」と胸をはれる銀鮭があるんです!!
【銀鮭養殖について】

今回の養殖場見学は、飯子浜の阿部正美さんにご案内頂きました。
銀鮭は岩手や宮城の淡水の池でふ化させ、体重150〜200g体長20cmくらいになるまでおよそ一年もの間大事に育てられます。その後4日ほどかけゆっくり海水にならし、本格的な海洋養殖が始まり、およそ半年で体長1mほどに成長します。


今回見学させていただいた阿部正美さんの一つの生簀には、体長1m位の銀鮭が25000尾も養殖されています。その生簀が4つもあり、一日2回与える餌はなんと1tにものぼります。金額にして60万円!!ただただ驚くばかりですが、これだけの手間隙と金額を投じて養殖しているのですから、決して安価な流通にはならないのも当然のことと言えます。
【加工場】

見学者それぞれに不織布の帽子、マスク、つなぎが用意され、髪の毛や大きなゴミは入り口にある粘着ローラーで各々取り除き、エアシャワーを3回転しながら浴びたのち、専用の靴に履き替え、入室前には必ずハンドソープで入念に爪まで洗ってからという徹底振り。靴の交換と手洗いは各部屋を移動する際もすべて行われていました。
更に工場内は外部からの菌の侵入を極力減らすために、トラックなどから直接魚が搬入されることはありません。前処理室に搬入された魚は酸性水を使って洗われ、下処理室へと送られます。
部屋全体がオゾンで常に殺菌されているため、目の前で生の魚をさばいているにもかかわらず、まったく生臭さがありませんでした。
魚の内臓などは特に強烈な臭いがするものですが、あまりの無臭状態に魚の加工場であることを忘れるほどでした。
現在の銀鮭養殖は「食の安全」を提供するため、厳しく管理されていて、その現場を見せて頂く事により、これまで抱いていたマイナスイメージを完全に払拭する事ができました。
従来の漁業とは大きく様変わりし、生産環境は整えられ、品質はあきらかに向上していて、私たち消費者に届くまでのプロセスが着実に、そして大きく進歩している事がよくわかりました。
【高品質銀鮭の流通】
これまでご紹介してきた丸東水産蒲lの手がける養殖銀鮭は、大阪を中心とする関西方面や北関東に運ばれ、今現在宮城県内では手に入らないと言うとても残念な現実です。
それは過去から現在まで続くマイナスイメージが未だに根強く、県内からのニーズが極端に少ないため、取り扱う店がないということだそうです。
今回、脂の乗った銀鮭を初めてお刺身で試食させていただき、とろけるような舌触りと、旨みを充分に味わうことができました。
こんなにおいしくなった銀鮭ですから地元からの要望が増え、旬になったらせめて「このお店に行けば買える」という状況がやってくることを切に願っています。
あとがき

日本の漁業は厳しい状況ですが、世界が認める「寿司文化」を持つ日本人ですから、魚の繊細な味わいも充分に理解しているはずです。
ましてや漁港の多い宮城県民としては、銀鮭をはじめより多くの魚にもっと目を向け、おいしい食文化をこれからの子供たちのためにも、しっかりと築いていきたいものだと改めて思いました。
できることなら試食会などが数多く実施され、宮城県内外の多くの皆さんに「みやぎの銀鮭は美味しい!」と言うことを実感して頂けたら本当にうれしいです。
皆さんもぜひ一度美味しくなった銀鮭を召し上がってみてください♪
*1 丸東水産株式会社
〒986-0022宮城県石巻市魚町一丁目9-13
0225-96-0345 begin_of_the_skype_highlighting 0225-96-0345 end_of_the_skype_highlighting Fax0225-96-7895
平成17年10月みやぎHACCP認証取得