
食材王国みやぎ 3月の地産地消応援メニュー
畑の青菜も一雨ごとに、いきいきとして春を待ちかねているようです。
この時期は、春を思わせるような日があるかと思うと、小雪が風に舞い冬に逆戻りの日もあります。そんな日には、せめて、食卓には春色をと今が旬の寒じめ野菜の「ちぢみほうれん草」とトマトで少しオシャレにキッシュを作ってみました。
キッシュは卵と生クリームを使って作るフランス・ロレーヌ地方の家庭料理。
パイ生地で作った器の中にベーコンや魚介類、季節の野菜に卵とクリームのソースをかけて、チーズをたっぷりのせてオーブンで焼き上げます。
厚切りベーコンやカニ、ホタテなどを使えば豪華なおもてなし料理に、ツナ缶に玉ねぎや人参等、野菜たっぷりにして日常の家庭料理にと応用できます。
焼きたてのアツアツを食卓で切り分けて頂くのが何よりのおもてなしになること請け合いです。
材料(20cmタルト型1個分 5〜6人分)
・ちぢみほうれん草 150g・かき 100g〜150g
・ベーコン 3枚
・ドライトマト 3個(生トマト1個)
・油 大さじ1/2
・ピザ用チーズ 30g
・小麦粉 少々
・バター 10g
・卵 2個
・牛乳 60ml
・生クリーム 50ml
・塩、こしょう 少々
・冷凍ピザシート 2枚
下準備
※冷凍パイシートは半解凍しておく※オーブンを200℃に余熱しておく
※タルト型、重石、オーブンシート、めん棒、フォークを準備しておく
作り方
1.タルト生地をつくる@半解凍したパイシートを2枚つなぎ合わせ、めん棒で押さえながら、
型の側面を含めてひと回り大きめに伸ばす。厚さは5mm位にする。
A型の底と側面に合わせて生地を敷きこむ。焼くと縮むので、少し余裕を持たせる。
余分な生地はめん棒をころがして切り落とす。
B乾燥しないようにラップでおおい、冷蔵庫で1〜2時間やすませる。
2.具をつくる
@牡蠣はざるに入れて、塩少々ふり、静かに全体を混ぜてぬめりを出す。
これを水でていねいに洗い、水気をペーパーで拭き、塩、こしょうをしておく。
A牡蠣は更に水気をペーパーで拭きとって、小麦粉を薄くまぶす。
Bフライパンを熱し、バターを入れて牡蠣の両面ソテーする。
(牡蠣の旨みをとじこめキッシュを焼いたときにコクがプラスされる。
温めなおしても美味しくいただける。)
Cちぢみほうれん草は、塩少々入れて茹で、水気を絞って3cm長さに切る。
ベーコンは1.5cm幅に切る。
D牡蠣を炒めたフライパンを熱しベーコンを炒め、ほうれん草も加えて
軽く混ぜ、塩、こしょうをする。
3.生地を焼く
@やすませておいた生地を冷蔵庫から取り出し、底にフォークで数ケ所穴を開ける。
上にオーブンシートを敷き、重石を敷きいれる。200℃のオーブンで
約15分空焼きする。(重石は小豆など1カップ位使用してもよい。)
A焼き上がったらオーブンシートと重石を取り出し、底面を3分位軽く焼く。
(焼く時間は底面の焼き具合をみて調節する)
4.ソースを作る
@ボールに卵を割りほぐし、牛乳、生クリームを加えて混ぜ合わせ、
ざるなどで漉す軽く塩、こしょうをする。
5.具を敷き込んで焼く
@焼きあがった生地に、炒めておいたベーコンを敷き、牡蠣、ほうれん草、
ドライトマトを彩りよく並べる。(この時、キッシュの中心部分に、
たくさん具をのせないようにすると頂くときにきれいにカットできる。)
Aキッシュの縁から静かにソースを流し込む。上にチーズをのせる。
180℃のオーブンで約30分位色よく焼き上げる。(真ん中が膨らんで
くると焼きあがっている。)
Bタルト型の底を静かに押し出し、底をはずして皿にのせ、切り分けていただく。
※冷たくなったら、レンジやオーブンで温めて食べる。
※野菜は季節の旬の野菜を彩りよく活用しましょう。
※キッシュソースは牛乳だけでもいいですが生クリームを使うとコクが出ます。
牛乳嫌いの方は豆乳でもできます。
パイ生地を手作りする場合は
・薄力粉 150g・無塩バター 70g
・卵黄1個分+水 70cc
※粉はふるっておく
※卵黄は解きほぐし水とよく混ぜ合わせておく
@ボールに粉を入れる。
A粉にバターを入れて、スケッパーなどで豆粒大に切り込む。
Bバターが全体に混じり、粉チーズ状になったら、卵黄と水を良く混ぜたものを
ふりいれ、全体をこねる。耳たぶよりやや硬めにこねたら、ひとつにまとめて
ビニール袋に入れて、冷蔵庫で1,2時間ねかせる。(余裕があれば、
冷蔵庫で一晩やすませる)
みやぎの寒じめ野菜/ちぢみほうれん草

この時期、野菜売り場で見かけるのが、「ちぢみほうれん草」「ちぢみ雪菜」「ちぢみ小松菜」など。これまでと違って、葉っぱが肉厚で縮んだ葉物が並んでいます。一般的に寒じめ野菜といわれています。
寒じめ栽培とは、収穫間近になった菜っ葉を冬の冷たい空気にさらす栽培方法です。寒風にさらされた菜っ葉は、徐々に耐凍性が増し、2℃以下で急激に高まります。土の温度が下がると根の温度も低くなり、水も肥料も吸わなくなって葉っぱがぎゅっと縮むのです。
菜っ葉類は「寒じめ」することにより、葉の肉が厚く、色も濃くなって葉脈に沿ってチリチリと縮れてきます。余分な水分を吸ってないので甘さが凝縮します。特に茎の部分は果物にも負けない糖度8以上(宮城県の標準出荷基準)になります。因みに、みかんが10度、すいかで11度、あの夕張メロンで12度ですので、甘さが如何に濃いかがわかります。ちぢみほうれん草は、糖度が高くなると、芯が黄色くなって甘さが一層濃くなります。黄色くなった茎は、鮮度が悪いなどといってはいけませんよ。
甘さばかりではなく、栄養的にもビタミンCやE、ベーターカロチンなども増加します。旨み成分であるアミノ酸も増加するのでこの時期に味わうのが最高です。先ずは、お浸しで十分濃い味を楽しんでみましょう。
産地は全国にありますが、宮城県内では主に仙台、栗原、石巻地区で約30ヘクタール栽培されています。「みやぎの野菜ブランド」にも指定され、品質は全国一と言われています。
寒じめ野菜は、東北地方では、近年身近な存在になってきていますが、関東地方にも出荷されるようになっています。店頭で見かけたら是非一度お試しください。食材王国みやぎの「冬いちおし」の食材です。
◇ちぢみほうれん草を栽培している本田さんを訪ねました・・・

自宅近くの畑には、露地栽培で2品種栽培しています。「やっぱり、ハウスより露地が甘いんだよ。食べてみる?」と差し出されたほうれん草は濃い深緑で肉厚で、自宅前の直売所「つけもの工房 純」の店でも売れ筋商品だそうです。
東松島市(旧矢本町)には、ほうれん草生産部会があり、約6ヘクタール栽培しています。糖度はもちろん、安全安心にこだわった生産を心がけ、栽培品種は朝霧(あさぎり)、寒味(かんあじ)など丸葉で甘味が自慢だそうです。
大切な生産物を汚れや雪から守るために、また、葉っぱが痛まないように白い不織布を畑にかけたり、強風の日には夜間でもハウスの見回りをしたりとわが子を育てるように心を込めて栽培しています。
寒さが厳しくなるほど美味しくなるちぢみほうれん草ですが、寒風の中、一株一株摘み取りゴミなどを除き、葉をきれいに調整し計量して袋に詰める出荷作業をする農家の皆さんは大変です。一生懸命美味しいほうれん草を生産してくださる本田さんをはじめ生産者の方々に感謝しながらいただきたいものです。
◇より美味しくいただくために・・・
ちぢみほうれん草は、一株が大きいので、洗う時に株に縦に包丁目を入れるとゴミを洗い流し易く、株の大きさをそろえる事により、上手に茹でられます。また、茹でる15分位前に、水を張ったボールに根元を浸けこんでおくと、ほうれん草に含まれ、エグミの素になるシュウ酸が流れ出して一層甘味が増します。
保存する場合は、葉の表面から水分が蒸発するので濡らした新聞などに包んでポリ袋に入れておきましょう。冷蔵庫に入れるときは葉っぱを上にし、立てて保存します。ペットボトルの大きいものを良く洗い乾かしてから上部を切り取って野菜室に立てて使うと便利ですよ。