2008年12月09日

紅ほっぺとシフォンケーキのXmasデコレーション

シフォンケーキ
『ほっぺの会』会長が伝える手作りケーキの魅力

 私がシフォンケーキの虜になったのは今から十数年前、あるケーキ屋さんに出会ってからでした。それまで口にしたどんなスポンジケーキよりもフワフワで、優しい味わいに驚きと感動を覚えたことを思い出します。

 それ以来、自分でもシフォンケーキの作り方をマスターしたくて週に2〜3回は焼いたでしょうか?
もはや朝食は殆どシフォンケーキと言ってもいいくらい・・・。
「またシフォンケーキなの?」と夫に言われながらも「練習!練習!!それしかないの。だって美味しいシフォンケーキ作りたいんだもん!!」と、何かに取り付かれたように焼いた日々でした。
さぞや夫は迷惑だったに違いありませんが・・・。

 シフォンケーキは卵白の分量が卵黄よりも多いものが一般的なようですが、私は卵4個で作ります。これは私の師匠から教わったもので、卵らしい味わいを充分に引き出すため、あえて卵白を多くしないのだそうです。

 一見作業手順は多いですが、よく読んでから作業に入れば慌てることはありません。2007年11月30日掲載のブッシュ・ド・ノエルと同様にシフォンケーキは前日に焼いておくと、パーティー当日はぐっと楽になりますので、ぜひ作ってみてください♪

*シフォンケーキを焼く/前日の作業
材料(20cmのシフォン型1台分)
resipi_081209-2.jpg *卵はLサイズをご用意ください。
・卵黄         80g
・グラニュー糖A   80g
・サラダ油       50g
・お湯         85g
・バニラビーンズ   1/4本
・薄力粉        115g
・ベーキングパウダー  小2弱
・卵白         160g
・グラニュー糖B    50g
・レモン汁       小1/2

準備
 1.卵は卵黄と卵白に分け、それぞれ計量する。Lサイズの卵4個を使用し、
   卵黄が75〜80g、卵白は152〜160gならOK。(あまりに足りないときは
   面倒でも、もう一個をそれぞれ別の容器に分け、卵黄80g、卵白160gに
   計量することが成功への道!)
   卵白はボウルごと冷凍庫で15〜20分周りがシャリシャリ軽く凍ってくるまで
   冷やす。入らない時は卵白だけ小さな容器で冷凍庫に入れ、ボウルは
   冷蔵庫で冷やす。ボウルごと冷やすことで、容器の内側の空気まで冷え、
   卵白が冷たいまま持続する。
 2.サラダ油を小さなボウルに入れておく(後でここにお湯をいれるので、
   小さ過ぎないボウルに入れること)
 3.薄力粉とベーキングパウダーを一緒にして2回振るう。
 4.レモンを絞っておく。(100%果汁なら瓶入りでも可)
 5.お湯を沸かしておく(ポットのお湯でも良い)。
 6.バニラビーンズは縦に切り込みを入れ、ナイフの背などで中の種をしごきだし、
   種とさやをサラダ油のボウルに入れておく。

作り方
 1.卵黄をほぐし、グラニュー糖Aを加える。
 2.直ぐにホイッパーで軽くすり混ぜる。ここで泡立てすぎないこと。
   白くなるまで泡立てると、せっかくの卵の風味が減ってしまい、
   おいしさが半減する。
   卵黄のかたまりができてしまうので、グラニューを加えたら手早く混ぜる。
 3.サラダ油のボウルに沸騰した分量のお湯を加える(ポットのお湯でも可)
 4.AのボウルにBを加える。全体が馴染むようにホイッパーで混ぜ合わせる。
   泡立てる必要はない。(*バニラビーンズのさやは取り除く)
 5.合わせて振るっておいた粉類を一度に加え、ホイッパーで手早く粉が
   見えなくなるまで混ぜる。
 6.周りがシャリッとするまで冷やした卵白に、グラニューBから小さじ1程と
   レモン汁を加え、ハンドミキサーの低速で軽くほぐす。
 7.卵白がほぐれたら直ぐに最高速にし、ハンドミキサー自体もボウルに
   沿ってぐるぐるまわしながら、勢いよく約2〜2分半泡立てる。
   (キッチンタイマーを使うと良い)
 8.ほぼ全体がしっかりと泡立ってきたら、残りのグラニューの半分を加え、
   約30秒勢いよく泡立てる。再び卵白が盛り上がった感じになったら、
   残りのグラニューを全部加えさらに約30秒、たえずハンドミキサーを
   回しながら泡立て、卵白が少しもこもこした状態になるまでしっかりと
   泡立てる。泡立て始めてから約3〜5分を目安にして行う。
   (長時間泡立て過ぎたり、ハンドミキサーの回し方が足りず、
   ゆっくりと立てるとボソボソになりやすい。また、冷やし方が足りず、
   常温に戻ってしまうと分離しやすいので注意。)
 9.メレンゲがしっかりと固く泡立った状態は、ツヤがあり、メレンゲの先が
   ピッと立ち、保形性がある。メレンゲの先がお辞儀するようなら、
   もう少し泡立てる。
 10.粉の入ったボウルにメレンゲの1/4〜1/3を加え、ホイッパーで手際よく
   混ぜて、なめらかな生地を作る。大きいホイッパーを使い短時間で
   さっと生地をなじませる。これを残りのメレンゲのボウルに戻し入れる。
 11.ボウルを回しながら、ゴムベラで生地をすくい上げるようにして返し、
   30〜35回ぐらいざっくりと手早く混ぜ合わせる。メレンゲが見えなくなるまで、
   泡を消すことなくふんわり混ぜること。
 12.上手に出来た生地は保形性があり、ふんわりしていてゴムベラで
   すくっても、ぽたぽた落ちたりしない。周りを払っておくこと。
 13.生地をカードで大きくすくって型に入れる。生地の上に重ねるように置き、
   重みで自然に型に沿っていくようにすると、大きな気泡が出来にくい。
 14.型に入れ終わったら、カードなどで上面を平らにする。型の7〜8分目
   ぐらい入るのがベスト。
 15.180度に温めたオーブンに、型を入れる。途中で型を動かしたり、
   急にさわってショックを与えると、うまく膨らまないことがあるので注意!
 16.オーブンの中で最高に盛り上がった時点では、まだ中まで火が通って
   いないので、扉を開けたりしないこと。最高点から盛り上がりが下がって、
   割れ目にも焼き色が付いたらOK。
 17.やけどをしないように軍手を2枚重ねて両手にはめ、そっとオーブンから
   出したら、すぐ逆さまにして冷ます。(逆さにしないと生地が沈んでしまう)
   早く型から抜きたい時は、粗熱が取れたら冷蔵庫や冷凍庫に入れて冷やす。
   外気温が冷蔵庫並みに冷たい季節には外のベランダなどで冷ましてもOK
   (粗熱が取れたら埃や汚れが付かないようにラップなどで覆っておくこと)
   型のまま乾燥しないようにラップをして冷蔵庫で保存しておくとよい

*デコレーション/当日の作業
材 料
resipi_081209-3.jpg ・生クリーム        400cc
・グラニュー糖       15g
・苺コンフィチュール    一袋
・バニラエッセンス     少々
・苺(紅ほっぺ)      1パック
・柊のオーナメントやお好みのシールなど



準 備
 *コンフィチュールはソースと苺に分けておく
 *生クリーム300ccを氷水にあてながら泡立てる。グラニュー糖と
  バニラエッセンスを加え、ハンドミキサーで6分立てにしておく
  (氷水に入れたままラップをしておくこと)
 *同じく生クリーム100ccを氷水にあてながら泡立てる。分けておいた
  コンフィチュールのソース大さじ2を入れ、7〜8分立てにしておく
  (同様にラップをしておくこと)
 *苺はヘタを付けたまま充分に洗って、ペーパータオルを敷いたバットに
  並べ水気をきっておく
  (乾燥しないように必ず蓋をしておくこと)

作り方
resipi_081209-4.jpg  1.前日に焼いたシフォンケーキを、型からはずす。パレットナイフなどを生地と型の間に差し込み、外側に押し付けるように力を入れ、ナイフを一周させ、外の縁をはずす。
 2.中心部はパレットナイフを上下に動かしながら型からはずし、底板と生地の間にもナイフを差し込み、回転させながらはずす。
 3.モコモコに焼き上がった方を下にして置き、ラップの箱を2つ用意して
   ケーキを挟むようにしたら、箱の上にパン切りナイフを沿わせ、
   小さく前後させながら上下2段に切り分ける
 4.下の段にコンフィチュールのソースをいれて泡立てた生クリームを半分塗り、
   コンフィチュールの苺をバランスよくのせ(全部使わなくてもよい)、
   残りの生クリームを塗る
 5.ケーキの上段をそっとのせたら、はみ出したクリームをパレットナイフで
   こそげ取る
 6.グラニュー糖とバニラエッセンスを加えて泡立てた生クリームを、
   シフォンケーキの外側の円周に沿って流し、パレットナイフで上面だけ
   平らにし、残りを側面に流すようにする。
   *この方法は回転台をお持ちでない方や、デコレーション初心者でも
    上手に仕上げられるのでお勧めです。
 7.洗っておいた苺をバランスよく飾り、お好みのオーナメントを飾れば
   出来上がり。
 8.乾燥しないようにケーキカバーなどで覆い、冷蔵庫で保存し次の日には
   食べきるようにしましょう

 *今回は、間に挟むクリームをピンク色にしたくてオリジナルのコンフィチュールを
  使いましたが、コンフィチュールが手に入りにくいときは、甘さ控えめの
  苺ジャムや、ご自分で手作りされたものを使われてもOKです。
  またコンフィチュールのソースは加えずに5gのグラニュー糖を加えて泡立て、
  お好きなフルーツ(生の苺やバナナ、小房にわけたオレンジ、缶詰の洋梨や
  黄桃、冷凍のブルーベリーやラズベリーなど)を挟んでも美味しく
  できますので、それぞれアレンジして召し上がってくださいね。

シフォンケーキの発祥
今では誰もが知るケーキとなった「シフォンケーキ」は、1927年にアメリカのハリー・ベーカー氏によって考案されました。なんと20年もの間レシピが公開されることはなく、どうやってあのフワフワで滑らかな食感が出来上がるのか、謎だったのだとか・・・。

アメリカンケーキといえば、バターたっぷりの甘くて濃厚な味わいのケーキが主流だった時代に、それまでとは全く違う軽い口当たりのケーキが出現したのですから、誰もが興味津々になるのも当然といえば当然です。
その後1947年にレシピが売却され、植物油とメレンゲで作られていることが公になり、更には翌年雑誌で紹介され大反響を呼んだと言われているそうです。

日本では、現皇太子妃雅子様が、まだお妃教育を受けている頃、ワイドショーのリポーターが「雅子さんは朝食にシフォンケーキと紅茶を召し上がったそうです。」の一言で、一気に認知度が上がりました。

あとがき
resipi_081209-5.jpg  シフォンケーキは今や「おうちで作りたいケーキ」のナンバーワンと言えるほど、人気のあるケーキとなりました。卵の風味を充分に味わえるこのケーキは、さまざまなバリエーションを楽しめるのも魅力の一つと言えます。
 基本のバニラシフォンを覚えたら、ご自分の好みに合わせていろいろな味のシフォンケーキにチャレンジしたくなる奥の深いケーキです。ぜひマスターしてください!

向日葵ママ取材記
resipi_081209-6.jpg ○日時:12月6日(土)地産地消の日
    11:00〜
○場所:石巻市内宮城生協蛇田店
    キッチンスタジオ じゃんぷ
第2回目のチーム・食スペによるお料理教室が行われました。
今回の内容は、本日ご紹介のDateねぇちゃん懇親の作品!!
私達、チーム・食スペのルーツとなっている味わい深い『紅ほっぺ』を使ったXmasデコレーション
参加者の皆様から『お家に帰ったら早速作ってみます』という嬉しい声や
『味のバリエーションを加える時はどの段階で?』などの質問も飛び交い、事細かな注意点をテキストの余白にぎっしりとメモする様子を伺うことができました。

resipi_081209-7.jpg 又、講師を務めたDateねぇちゃんは、額に汗しつつタイマー片手に泡立てながら『おいしくな〜れ♪』の呪文を心の中で呟いていたようです。そして、参加者の皆様の真剣な眼差しに応えるかのように自身が蓄えてきたノウハウの全てを実演と共にフワフワのシフォンケーキを通してお伝えしていた姿がとても印象的でした。

甘さ控えめで、それぞれの素材を活かしあった紅ほっぺ(苺)とシフォンケーキ、そして真っ白な生クリームによる味わい豊かなXmasデコレーションを是非お試し頂きたいものです。
resipi_081209-8.jpg resipi_081209-9.jpg

※次回のお料理教室は、
 たんぽぽゆばあばによる牡蠣とちぢみほうれん草のキッシュです。
 来年2月の地産地消の日をお楽しみに〜♪

西舘 友子


posted by 料理 レシピ at 10:17| レシピby西舘友子