2008年11月20日

カキの土手鍋

カキの土手鍋
食材王国みやぎ 11月の地産地消応援メニューpartU

 今年も2,3度、プリプリッとした「酢ガキ」を味わい、海のミルクを堪能しました。
大きめのものは「カキフライ」や「カキご飯」に、そして、木枯らしが吹き始めるこの季節はやっぱり「カキ鍋」でたっぷり味わいたいですね。ぷりっぷりっのカキはもちろん、野菜や豆腐にも旨みがしみこみおいしくいただけます。

土手鍋はもともと広島の郷土料理ですが、この季節、美味しいカキと自慢の仙台味噌で土手鍋は如何でしょう。
練り味噌を土鍋の縁に土手のように塗りつけ、鍋の中央にカキや野菜などの具とだし汁を入れて、味噌を好みで溶かしながら煮ていただくのが土手鍋。由来については、土手という行商人が考案したとか大阪の土手で売っていたなどの説もあります。

このところ、カキの生産者にとっては、ノロウイルスによる風評被害や燃油高などで厳しいしい状況が続いているそうです。
宮城が誇る冬の食材「カキ」。
北風が日毎に冷たくなってくるこの季節、身も心もほっかほっかに温まる「カキの土手鍋」を夕食のメニューのひとつに加えてみては如何でしょう。

材料(4人分)
resipi_081120-2.jpg ・カキのむき身  300g
・糸こんにゃく  1袋
・絹ごし豆腐   1丁
・せり      1束
・長ネギ     3本
・しめじ     1パック
 
 
〜練り味噌〜
 ・仙台味噌  150g
  ※分量は味噌の塩分により若干異なるので味をみて調節する
 ・みりん   大さじ3〜4
 ・好みで砂糖  適宜
 ・だし汁    適宜

作り方
 1.練り味噌を作っておく。鍋に味噌とみりんを加えて中火にかけ
   ぽってりするまで練る。出し汁を準備しておく。
 2.カキは塩少々をふり、手で優しく全体にまぶした後、水で静かにふり洗いし、
   ざるにあげて水気をきっておく。
 3.糸こんにゃくは食べやすく切り、さっと茹でる。豆腐は食べやすい
   大きさに切っておく。
 4.せりは5cm位に切る。長ネギは4cm位の斜め切りにしておく。
   しめじは石づきを取りほぐしておく。
 5.土鍋の縁に練り味噌を塗りつけて、鍋の中央に糸こんにゃく、豆腐、
   ネギを並べ、だし汁を静かに注ぎふたをして火にかける。煮たってきたら、
   カキとせりを加え、もうひと煮立ちしたら好みの味付けになるように
   練り味噌を溶きながらいただく。
 6.途中で煮汁が少なくなってきたらだし汁を加え、その都度、練り味噌を
   崩して味を調えながらいただく。

 ※カキはあまり煮ない方が風味豊かに美味しくいただけます。身がぷっくり
  してきたら食べごろです。
 ※カキをたくさん入れる時は、他の材料がほとんど煮えたところに入れます。
  カキが少ない時は始めから野菜と一緒に煮ると野菜類も美味しくなります。
 ※野菜は白菜やキャベツ、下茹でしたごぼうのささがきや人参、春菊、
  ほうれん草など、冷蔵庫にある野菜でいいですよ。

宮城が誇る『牡蠣』について
resipi_081120-3.jpg 宮城の冬を代表する食材の「カキ」。今年も出荷が一斉に始まり、石巻、松島気仙沼地方の各浜では、1年で最も活気のある忙しいシーズンを迎えています。
カキは世界中に約100種もあり、日本には20種類が生息しています。私たちが食べているのは、ほとんどが養殖された「マガキ」です。
 世界に分布しているカキは、魚介類を生で食べないヨーロッパでさえも例外で、生のままレモンをかけて食べるのが伝統的な食べ方といわれています。「英雄カキを好む」と言い伝えられ、ジュリアスシーザーやフランス沿岸のカキを食べつくしたとまでいわれるナポレオンなど、歴史上の英雄達も好んで食べたといわれています。

みやぎのカキの養殖・・・
 カキの養殖は広島県が最初といわれ、その起源は室町時代までさかのぼるといわれます。主な生産地は広島県、宮城県、岩手県などです。
宮城におけるカキの養殖は江戸時代に始まり、大正末期から盛んになりました。松島湾で天然の稚貝を放流し、成長したものを収穫するという方法で始まり、様々な技術改良を重ねながらカキ養殖が発展してきました。
県内でも特に、三陸沿岸の海は、カキのえさとなるプランクトンが豊富で、波の影響を受けにくい内湾が多いことや適度な水温、潮の流れなどカキの成長に適した条件を備えているため主力の養殖種目となっています。

みやぎのカキの生産・・・
 県漁業協同組合によると、昨年のカキの生産量はむき身で4,340トン。広島県に次ぎ全国第2位の水揚げを誇っています。主に生食用として流通していますが、1990年代にカキ殻を使った種ガキ採苗の方法が開発され、宮城の良質な種ガキは、北海道から九州まで広く国内に出荷されるとともに、海を渡り、絶滅の危機にあったフランスのカキ養殖を救いました。

カキの栄養・・・
 カキはビタミン、ミネラルがたっぷりで「海のミルク」とも言われています。旬は体に栄養を蓄える秋から冬で、グリコーゲンの量が最も多く、多種類のビタミン、ミネラルを含んでいます。なかでも亜鉛の含有量は抜群で、風味も優れています。また、貧血に良い鉄のほかタウリンも多く、ビタミンCと組み合わせると吸収が良くなる事から、生カキを酢で食べたり、カキフライにレモンなどを添えています。
栄養価に富み、低脂肪のカキは、即効性エネルギー源のグリコーゲンが、疲労回復や体力増進に効果的。また、亜鉛は新陳代謝を活発にし、肌荒れを防いでくれるなど美味しくて頼もしい食材です。

旬のカキを美味しく頂くための調理ポイント
@ぬめりや汚れをきれいに洗います
 塩水や大根おろしの中にいれて、ぬめりをとる方法や水と片栗粉を入れて優しく
 もみ洗いし、汚れや臭みがとる方法などもあります。
A加熱しすぎないこと
 カキは加熱するとどんどん小さく縮んでしまいます
 鍋の中でぷっくりと身が膨らんだら火を止めましょう。
B美味しいカキを選ぶこと
 美味しいカキは、身につやがありふっくらしていて、身の縁の黒味が鮮やで
 貝柱が透きとおっているものです。

この時期は、松島や石巻、気仙沼地方では「カキまつり」が開催されます。
御家族でドライブがてらでかけてみませんか?
焼きガキやカキ汁、カキご飯などを味わい、格安で新鮮なカキをゲットし、思いっきりみやぎの冬の味覚を味わいましょう。
 

色川 恭子


posted by 料理 レシピ at 10:00| みやぎの牡蠣レシピ