
懐かしの味わいを健全につなぐ!!
暑い日が続くと、ついつい冷たいものばかり食べてしまいがちですが、実はそれこそが「夏バテ」を引き起こす大きな要因のひとつと言われています。
冷たい飲食物は、どうしても胃腸を冷やすことになります。冷えることで消化能力が低下し、ますます食欲が無くなるというわけです。
おまけに冷房の効いた室内に一日中いて、帰ったらシャワーだけという方も多いのではないでしょうか?それでは本人が気づかないうちに体が冷えていく一方ですよ。(特に冷え性の方は要注意です!)
そこで、今回は宮城県登米地方の郷土料理「はっと汁」をご紹介します。汁ものなので、冬のイメージかも知れませんが、実家のあたりでは夏にもよく食べていました♪
ちょっと汗をかきながら、じんわり胃腸を温めて「夏バテ」にさよなら致しましょう!!
材料(4〜6人分)

・薄力粉 1カップ(約100g)
・強力粉 1カップ(約100g)
・塩 小さじ1/2
・水 100cc前後
<お汁の材料>
・カツオ出汁 1200cc
・茄子 4〜5本
(長さ15cm、直径5cm位の物)
・油麩 1/2本
(長さ25cm位の物)
・人参 10cm
・オクラ 4〜6本
・ごぼう 5cm
・醤油 大さじ2
・白醤油 大さじ3
・日本酒 大さじ3
・みりん 大さじ1
・塩 適量
・山芋 10cm
・シソの葉 10枚
・しょうが 2片
・七味唐辛子 適量
準備
1.薄力粉と強力粉をボウルに入れ、塩を加えて全体を軽く混ぜ、うどんを捏ねる要領で水を少しずつ加えながら練っていく。少し硬めに
練っておいたほうが、後で伸ばすときの作業が楽になるので、
水は控えめに加えていくこと(100cc全てを使わないこともあります。)
2.ボウルに濡れ布巾をかぶせ、生地を寝かせておく。1時間位たったら
もう一度捏ねて腰をだす。ちょっと面倒ですが、のど越しが良くなるので、
試してね!更に1時間程同様に寝かせる。
3.茄子は皮を剥き、長さを半分に切り1cm位の短冊切りにして、
あく抜きの為水に晒しておく。
4.人参も同様に短冊切りにする。
5.シソの葉は縦半分に切ってから千切りにし、色が悪くなるので水に晒しておく。
6.ごぼうは千切りにし、素揚げしておく。オクラは1本丸ごと素揚げにする。
7.油麩は縦半分に切り、5mmくらいの半月切りにする。
作り方
1.出汁を鍋に入れ火にかけ、油麩を始めから入れてこくを出す。沸騰したところに茄子と人参を加え再沸騰したら生地を4等分位にして
手で出来るだけ薄く、均一にのばしながら、ちぎって入れていく
2.はっとの生地に火が通るまでの間に、山芋をすり下ろして器に盛り付けておく
3.生地に火が通ったら、醤油と塩以外の調味料を全て加え、全体をよく混ぜ
アルコール分を飛ばし、醤油を加えて一度味見をしてから、足りない
ようなら最後に塩で味を調える
4.器に盛り付け、天盛りにシソの葉、ごぼう、彩りにオクラを添えて
出来上がり
5.しょうがは食べる直前にすりおろし、とろろの上にのせよく混ぜ、
とろりとかけて召し上がれ
6.お好みで更に七味をかければ、益々体が温まりますよ♪
*汁物として召し上がるときは6人分、うどんのようにお食事として
召し上がるときは4人分を目安としました。なるべく薄く伸ばすと
つるっとして食べやすくなります。
*お汁が澄んでいるのがお好きな方は、「はっと」を別茹でにしてください。
*「油麩」は宮城県登米地方の特産品で、「はっと汁」には欠かせない逸品です。
夏場に油揚げが痛みやすい為、それに代わるものとして開発された
のだとか・・・(昔は一般家庭に冷蔵庫なんてありませんでしたからね)
我が家では主人の実家に帰省する際の「お土産」としても大好評です。
薬膳仕立て
*山芋・おくら
*しょうが
→辛味の主な成分であるジンゲロールは血液の循環を良くし、体を温めると言われている。
生で食べると効果的。更に食べる直前にすりおろすとより効果が大きい。
*しそ
→独特の香り成分が、嗅覚神経を刺激し、胃液の分泌を促し食欲を増進させる。
*七味唐辛子
→唐辛子の辛味成分であるカプサイシンによる代謝促進や食欲増進、冷え性の抑制効果があるとされる。
そのほか漢方薬にも使われる陳皮は食欲不振や嘔吐の際に用いられる。
夏バテで弱った胃腸にもやさしく、少しでも美味しく味わって頂きたくて、体に良いといわれる成分をたくさん盛り込みました。
まるで「食べる胃腸薬」という感じですが、なにより食べて美味しいところが一番のポイントです。どんなに体によくても、あまりに食べにくいものには正直手がでませんから・・・。
家族も大好きな私の故郷の素朴な味を、バージョンアップしてお届けします。
是非お試しください。