
シーン
○メンバー:父・母・長男・次男思春期の二人の息子と共に家族が久々に揃う端午の節句の食卓。
息子たちの雄々しくたくましい成長を祈り、清冽な滝を登った鯉は竜になるという「竜門登鯉」を卓上に演出した。
激流を青海波文様の藍色のブリッジランナーで表現。
中央には兜(かぶと)を飾り葉が剣を思わせる花菖蒲を活けた。
筍の木の芽寿司を持った鯉のぼりの絵付けの小皿は息子たちの初節句から使い続けてきた思い出深い品。
季節の恵みに感謝し、団欒のひとときを過ごす。
メニュー
・飯もの 筍の木の芽寿司(古代米)・汁もの 皐月(さつき)の潮汁(うど、筍、さやえんどう、木の芽)
・煮もの そら豆の鎧(よろい)煮
・刺し身代わり 鯛の子付け鱠(なます)
・祝肴 鯛の兜(かぶと)焼き
・飲みもの 冷酒 冷茶
※古来は菖蒲酒という薬種を頂いていましたが、現在は廃れてしまった風習です。
〜供物〜
・鉾ちまき 柏餅
節句と節供
「節句」という言葉が使われたのは、室町・江戸時代になってからで、それ以前は「節供」と表現されていた。
「節」は季節の節、「供」はお供えで、神様に捧げる食事のことをいう。
節という特定の日に神様にお供えをし、神様と人が一緒に食事をする日が節供である。


【筍の木の芽寿司(古代米)】 【皐月の潮汁】


【そら豆の鎧煮】 【鯛の子付け鱠】
向日葵ママ撮影記
シンプルかつ大胆紀子先生の作品に触れていると引き算によるコンテンツの表現に向き合う事が多い。
そんな食空間の中に配置されるお料理に、優しく、細やかな配慮を見出した時、これまでたずさわってきたご自身の食との関係を垣間見るようで学ぶことが多い。
いつも主役のお料理たちから生きる力と作り手の心躍る楽しさがファインダー越しに伝わってくると、なぜか『最後まで頑張ろう!!』という想いが自然に湧いてくる。
まもなく食スペレシピも1年が経過しようとしている。
こうした作品が一人でも多くの方たちの元気につながる事を願って止まない。

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